在宅介護と施設介護の比較をはじめる|92歳の父と私の記録

在宅介護と施設介護の比較

父の一人暮らしはいつまで可能かを検討した結果、介護サービスを利用することで、一人暮らしをもう少し継続できると思った私でした。

ところが要介護認定の区分変更の申請もすませて、在宅介護を基本にした計画を実行に移そうとしている時、父にある出来事が起きたのです。

その出来事で、もう父はこれ以上一人では暮らせないかもと思いました。

この記事は私の実体験です。高齢の親がいらっしゃる方がこれからのことを考えるために、そして自分自身が高齢者になったときの準備として参考にしていただければ幸いです。

目次

もう一人では暮らせないかもと思った出来事

もう一人暮らしは難しいかなと思う出来事が、短い期間にたて続けに起こりました。

転倒して市立病院にいく

いちばん大きかったのは、転倒したことです。

ベッドから立ち上がった時にバランスを崩し、転倒して頭をうってしまいました。

ボロボロになった障子
ボロボロになった障子

電話がきて、父の家にいってみるともたれかかった障子がボロボロに。

市立病院の脳神経外科にいってCTをとり、診察をしてもらいました。

診察の結果、脳にすこし血がにじみ出ているとのことで「慢性硬膜下血腫」という診断。

その時の私は「慢性硬膜下血腫」という病名をしらなかったので病名そのものの響きや、脳に血がにじみ出るという症状から、これは大変なことになったと思いました。

調べてみると「慢性硬膜下血腫」というのは頭を打ったりぶつけたりすることが原因で、硬膜と脳の表面の間にゆっくりと血液が溜まり、血腫という血のかたまりができる病気であるとわかりました。

高齢の男性に比較的多い病気だそうで、すぐに命に影響のあるようなものではないとわかり少し安心したのを覚えています。

ただし継続して血が溜まるようだと手術が必要になるということで、引き続き経過観察をすることに。

次回のCTの結果次第で、悪化していれば手術もありそうです。

高齢になって最も怖いのは転倒です。

転倒して骨折して寝たきりになったり、頭を打って半身不随になったりということも聞きます。

最近の父は、椅子にすわって食事をしている時に転倒したり、家の中の畳のわずかなひっかかりで転倒したり、転倒することが多くなってきたのが心配です。

本人もなぜ転倒するのかがわからないようで困っていました。

一人暮らしなので、転倒しても気がついてあげられないし、すぐには駆けつけられないこともあります。

「慢性硬膜下血腫」であれば、ふらついたり、転倒したりする可能性も高まります。

これが一人暮らしはもう難しいかもと思った一番の理由です。

手の甲の皮膚がまずいことに

暫くして父の家に行くと、今度は手の甲の皮膚の一部がはがれていることに気がつきました。

「どうしたの、その手」と聞くと、知らない間に皮がむけてしまったといいます。

放置するとまずいと思ったので、すぐに皮膚科に連れていきました。

先生も驚いたようで、すぐに手当てをしてくれました。

手の甲の皮膚を治療してもらった

「高齢者の皮膚は熟れた桃の皮のようなもの」だと先生がおっしゃっていました。

まるで熟れた桃の皮のように、ちょっとしたことで皮膚がむけてしまうのですね。

処置をせずに放っておいたら、手の甲の皮膚は膿んでいたでしょう。

こんなになっても病院に行こうと思わなかったのか、行けなかったのか、手の甲をみてやはり一人にはしておけないと思いました。

暫くの間は患部に塗ってくださいと頂いた薬も、一人で塗れるか怪しい感じです。

かかりつけ医に「独居は無理です」と言われる

さらに要介護区分の区分変更申請をしたので、かかりつけ医に「主治医意見書」を書いてくださいと依頼に行った時のこと。

父の診察をしてもらったあとに先生と2人で話をしました。

その時、先生から「もう独居は無理だと思いますよ」と言われてしまったのです。

かかりつけ医からこの言葉を言われて「やっぱり無理かな」と改めて思っていましました。

在宅介護と施設介護を比較する

こんな出来事がたて続けにあり、もう一人暮らしは難しいのかなと思った私は在宅介護と施設介護の比較をしはじめました。

在宅介護とは自宅に住みながら、訪問介護や通所介護といった介護サービスを利用して生活すること、施設介護とは老人ホームなどの施設に入居して生活することです。

在宅介護を施設介護にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、要介護度があがるほど施設介護の割合が上がるようです。

在宅・施設介護サービス利用者の割合(要介護度別)
ソース:みんなの介護

在宅介護と施設介護のメリットとデメリットは、本人の心身の状態や環境、家族などによっても異なります。

父の場合の最適解を探そうと思いました。

在宅介護のメリットとデメリット

まずはもともと一人暮らしを継続できるように考えていた、在宅介護のメリットとデメリットにはどんなものがあるでしょうか。

在宅介護のメリット(父の場合)

在宅介護のメリットには次のようなことがあります。

  • 住み慣れた自宅で介護を受けながら生活できる
  • 自分の好きな時に好きなものを食べたり飲んだりできる
  • 状況に応じて(心身の状態や予算など)介護サービスの組合せを変えられる
  • かかりつけ医に継続してみてもらえる
  • 費用をおさえることができる(施設介護よりは自己負担額が圧倒的に安い)

ご家族と一緒に住んでいる場合には、在宅介護は家族のそばに入れるという大きなメリットがあります。

でも父のように一人暮らしの場合、特に遠方に住んでいる場合には、逆に会うことが難しいというデメリットにもなります。

在宅介護のデメリット(父の場合)

在宅介護のデメリットはなんでしょうか。

  • 転倒やけがなどのリスクが高い(24時間みているわけではない)
  • 通院や薬の管理が難しい
  • 本人や家族(介護疲れなど)の負担が大きい

越谷で一人暮らしをしている父を在宅で介護することは、安全な選択とは思えませんでした。

いつでも見守っているわけでもないし、遠方のため頻繁に訪問できない、すぐに駆けつけられないからです。

92歳という年齢もあり、通院や薬の管理も厳しいかなと感じていました。

施設介護のメリットとデメリット

そして介護施設に入居して介護サービスを受ける、施設介護のメリットとデメリットについてです。

一人暮らしが難しいのであれば、施設介護は有力な選択肢になります。

ここであげるメリットとデメリットは介護つき有料老人ホームに父が入居した場合です。

施設介護のメリット(父の場合)

施設介護のメリットはなんと言っても24時間体制で見守ってくれることです。

転倒リスクが高くなった父のためには、安全は最優先事項です。

  • 24時間の見守りで安全、本人も家族も安心できる
  • 介護士や看護師、機能訓練士などの専門家による適切なケアが受けられる
  • いつも周りに人がいて話ができる(施設の職員や入居者など)
  • レクレーションやイベントがあり楽しい
  • 食事は栄養を考えて出してくれる
  • 高齢者用にできたバリアフリーの清潔で安全な場所で暮らせる(施設によるが)
  • 私や家族も頻繁に行ける(面会や外出もできる)

遠方で一人暮らしをしている父の場合には、私の家から近い施設に入居することで、私や妻や子供達が会いにいきやすいというのも大きなメリットです。

おじいちゃんも孫に会うのが嬉しいようですし。

施設介護には、今の父にとってたくさんメリットがあるように感じました。

施設介護のデメリット(父の場合)

もちろん施設介護にもデメリットがあります。

  • 住み慣れた自宅から離れることになる
  • ご近所などの人間関係に区切りをつけて新しい場所や人に慣れる必要がある
  • 個室はあるが集団生活が基本になる
  • 起床や就寝や食事は一定のスケジュールがある
  • 訪問介護よりも費用がかかる(自己負担も大きい)

父は自宅から離れることにあまりこだわりをもっていませんでした。

また施設介護は在宅介護に比べて安全性が増す分、自由度が下がるかもしれません。

そして在宅介護と比べると、費用の負担が大きくなるのが最大のデメリットともいえます。

資金がなくなると入居した施設で生活できなくなってしまいますから。

父と老後の話し合いをするPart2

以前に父と今後の生活について話し合いをした時とは、父の状況はだいぶ変わってきました。

越谷の家で一人暮らしを続けることが難しくなり、私には在宅介護より施設介護のほうが正しい選択に思えるようになったからです。

とはいえ今後どうしたいかを決めるのは私ではなく父なので、「父親と老後の話し合いをするPart2」となりました。

今度の話し合いは、在宅介護と訪問介護のメリットとデメリット、在宅介護と施設介護の場合のお金について、今後の流れなどについてなどが主な内容です。

父といろいろ話をしてから、最終的な父の意見を聞きました。

父の意見は、私の家の近く(横浜)の施設に入居したいということでした。

そこで私が今まで下見をしたりしてきた介護付き有料老人ホームから、おすすめの施設のパンフレットやホームページをみせながら説明し、その日の話し合いは終わりました。

転倒リスクが高くなった父の一人暮らしは限界です。

本人もそれをわかっているようでした。

父の家の壁には私の電話番号が貼ってあった
父の家の壁には私の電話番号が貼ってあった

まとめ|在宅介護と施設介護の比較をはじめる

もともとは在宅介護サービスを利用して、一人暮らしを続けるように計画してきた父の今後の生活。

父の状態がどんどん変わっていくのをみて、もう一人暮らしは難しいと感じました。

転倒などでけがをするリスクが高すぎるのです。

そこで在宅介護と施設介護の比較をして、父と再び話し合いをしました。

話し合いの結果、父は私の家の近く(横浜)の介護施設(老人ホーム)に入居を選択。

20年間続けた越谷での一人暮らしに区切りをつけて、横浜の介護施設へ。

父の人生のステージがまた、ひとつ進みます。

私の家から近い横浜の施設なら、私も家族もすぐに行けます。

安全で清潔な場所で、同年代の入居者と話をしたり、レクレーションをしたりしながら、幸せな老後を過ごしてほしい。

それが92歳の父にとってベストな選択だと、私は思いました。

次は「はじめての老人ホームの探しと選び方」です。

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