はじめての老人ホームの探しと選び方|92歳の父と私の記録

老人ホームの探し方と選び方

越谷市で92歳になるまで長い間一人暮らしをしてきた父ですが、いよいよ一人暮らしが限界になってきました。

一人で着替えをしたり、外出したリ、お風呂に入ったり、食事の準備をしたりできなくなってきたのです。

さらに悪いことに、足腰が弱くなり、転倒して頭をうち、慢性硬膜下血腫と診断されました。

また転倒することがないように、見守りが必要です。

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そんな父と今後の生活について2度目の話し合いをしました。

今後の生活をどうしていくか、在宅介護と施設介護の比較などをしながら父と話し合いをした結果、私が住んでいる家の近くの介護施設に入居しようということになりました。

こうして私のはじめての老人ホーム探しが始まったのです。

  • 老人ホームの探し方は
  • 老人ホームの種類は
  • 老人ホームの選び方のポイントは

この記事では、老人ホームの探し方と選び方のポイントについて解説します。

この記事は私の実体験です。高齢の親がいらっしゃる方がこれからのことを考えるために、そして自分自身が高齢者になったときの準備として参考にしていただければ幸いです。

目次

老人ホームの探し方

父の一人暮らしが難しくなり、いざ父が入居する老人ホームを探そうとしてはじめて私は気がつきました。

「どうやって老人ホームを探せばいいのだろう」

今まで老人ホームについて考えたことが無かったので、老人ホームの種類も、探し方も、費用もよくわからない自分に気がついたのです。

地域包括支援センターに相談する

まずは地域包括支援センターに相談しました。

私も、父の状態が変化しはじめてからは頻繁に、地域包括センターの担当の社会福祉士の方に相談をさせていただきました。

長い間「要支援1」の状態だったので、ケアプランも地域包括支援センターの方に作成いただいており、話しやすかったです。

地域包括支援センターには、いろいろな情報が集まっていますので、状態や希望などをいって相談すれば親切に教えてくれるはずです。

老人ホーム紹介会社を利用する

実際に老人ホーム探しをするにあたっては、老人ホームの紹介会社を利用すると良いです。

老人ホームの紹介会社は地域、または全国の数多くの老人ホームの情報をもっており、無料で相談にのってくれます。

全国の老人ホームをカバーしている老人ホーム・介護施設の紹介会社を3つあげます。

これらの老人ホームの紹介会社は、無料で利用することができます。

なぜ無料なのかと不思議に思うかもしれませんが、老人ホームの紹介会社は、紹介している老人ホームや介護施設からの広告料や紹介料等によって運営されているからです。

さらに老人ホーム紹介会社は、不動産販売や引っ越し、家財処分やリサイクル、成年後見や家族信託、相続といったサービスを行っている場合もあります。

一人暮らしの高齢者が施設にはいると、今まで住んでいた家に住むことがなくなり、貸したり売却したりすることになる場合があります。

老人ホームの紹介会社は、こういった時に利用できるサービスもあわせて持っているわけです。

ですから老人ホームを探している人に、どんどん利用してもらって入居者を老人ホームに紹介することが、老人ホームを探している利用者と老人ホームの紹介会社双方の利益につながる訳です。

というわけで、利用者は相談や資料請求や見学の依頼などを無料で行うことができます。

まずは老人ホーム紹介会社に電話やメールなどで老人ホームを探していると連絡してみましょう。

私は、地域包括支援センターに父が入居する老人ホームを探していると相談したときに、こういった老人ホーム紹介会社があることを教えてもらいました。

そして早速、私の家のそばにオフィスのあった老人ホーム紹介会社に電話をして、担当者に会うことにしました。

老人ホームに関する知識がほとんどなかったので、担当者に実際にあって、いろいろと話をききたかったのです。

実際に担当者に会って話をすると、専用のパンフレットを使って、老人ホームの種類、選び方のポイント、費用の考え方などを丁寧に教えてくれました。

老人ホーム紹介会社のパンフレット

介護福祉士の資格をもった担当者の方と話をして、質問に答えていただくことによって、老人ホームについての知識がほとんどなかなかった私も、老人ホームについての概要を理解することができました。

ひととおりお話をしたあとは、私の父の状態や老人ホームや介護施設に対する要望、想定している費用などをお伝えして、いくつかの施設の情報をみせてもらいました。

家に帰ってから自分でもWebで老人ホームを調べました。

そして私の家のそばのよさそうな老人ホームをいくつかをピックアップし、老人ホームの紹介会社に連絡をして一括で資料を送ってもらいました。

さらに資料が届いてから内容を検討し、見学をしたい老人ホームをつたえて日程調整していただきました。

このように相談、資料請求、見学の依頼などをワンストップでできるところが、老人ホーム紹介会社の便利なところです。

老人ホーム探しをどうすればいいのかわからなかった私は、とても助かりました。

KOHEI

在宅介護と施設介護(老人ホーム)の比較はこちらどうぞ!!

老人ホームの種類

情報を集めて分かったのですが、老人ホームはいくつもの種類があります。

老人ホームの種類と違いを理解するのが、はじめて老人ホームを探す人には結構難しいものです。

いろいろな種類があり、それぞれの情報が多すぎておなか一杯になることも。

そこで簡単に、主な老人ホームの種類と特徴を説明します。

以下が代表的な老人ホームの種類になります。

代表的な老人ホームの種類
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護保険老人施設
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 介護付き有料老人ホーム
老人ホーム

老人ホーム紹介会社のサイトにも情報がたくさんあります。

それぞれの老人ホームの特徴をみていきましょう。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、通称「特養」とよばれる公的な老人ホームであり、比較的低額で入れることから非常に人気が高は順番待ちになっています。

1年待ちなんてこともあるので、すぐに入居するのは難しいかもしれません。

特別養護老人ホームの特徴
  • 種類:公的施設(住民票のある市区町村での入居が多い)
  • 入居金:なし
  • 月額費用:低
  • 入居条件:要介護3以上
  • 職員体制:3:1以上(入居者3名に対して職員1名以上)
  • 看取り:あり(多い)
  • 待機者:多い

介護保険老人施設

介護老人保健施設は、通称「老健」とよばれる公的な施設であり、本来の目的は病院に入院していた人が退院後にすぐに在宅生活できないという時、数か月程度滞在してリハビリをおこなう施設です。

そのため老健では、理学療法士や作業療法士などが質の高いリハビリを実施します。

介護保険老人施設の特徴
  • 種類:公的施設
  • 入居金:なし
  • 月額費用:低
  • 入居条件:要介護1以上
  • 職員体制:100名に対して職員25名以上
  • 看取り:あり
  • 待機者:中程度、短期利用が原則

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、通称「サ高住」とよばれるバリアフリーの高齢者用の民間施設です。

「サ高住」は、高齢者が自宅同様の自由度の高い暮らしを送りながらスタッフによる安否確認や、生活相談サービスなどをうけられる賃貸住宅です。

要介護度が比較的低い人に適した施設であり、要介護3以上になると対応が難しくなる場合があります。

サービス付き高齢者向け住宅の特徴
  • 種類:民施施設
  • 入居金:あり(介護付き有料老人ホームよりは安い傾向)
  • 月額費用:中から高(介護付き有料老人ホームよりは安い傾向)
  • 入居条件:自立から要支援、要支援(要介護度が高いと対応が難しい)
  • 職員体制:常駐の介護職員なし
  • 看取り:施設による
  • 待機者:少ない

グループホーム

グループホームは、認知症のある高齢者が介助を受けながら共同生活をする民間施設です。

認知症の高齢者に特化した老人ホームで、5人から9人のユニットとよばれるグループをつくり、専門職員からサポートをうけながら共同生活を送ります。

グループホームは地域密着型と呼ばれるサービスで、背説のある市区町村住民票をもっていることが入居の条件になります。

グループホームの特徴
  • 種類:民施施設
  • 入居金:あり(介護付き有料老人ホームよりは安い)
  • 月額費用:中から高(介護付き有料老人ホームよりは安い)
  • 入居条件:要支援2以上(認知症の診断)
  • 職員体制:3:1以上(家庭的)
  • 看取り:施設による
  • 待機者:多い

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスがついた老人ホームです。

要介護度が比較的低く自立した生活を送りたい高齢者に向いています。

特徴はホームのスタッフが身体介護などの介助をしないということです。

身体介護や生活援助などの介護サービスが必要な場合は、在宅介護と同じように在宅サービス事業所と契約する必要があります。

この点が、このあとでてくる介護付き有料旅人ホームとの違いになります。

介護サービスを組み合わせてカスタマイズできる分、費用がかさむ可能性もあるのでケアプランをしっかりたてることが大切です。

住宅型有料老人ホームの特徴
  • 種類:民施施設
  • 入居金:あり(介護付き有料老人ホームよりは安い傾向)
  • 月額費用:中から高(介護付き有料老人ホームよりは安い傾向)
  • 入居条件:要支援1以上(認知症はNGの場合あり)
  • 職員体制:決まりなし
  • 看取り:あり
  • 待機者:少ない

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、24時間体制で介護スタッフが見守ってくれます。

食事や掃除や洗濯などの生活援助や、入浴や排せつといった身体介護サービスを受けることのできる老人ホーム。

介護サービスがパッケージになっているイメージで、基本的に毎月定額の費用になります。

定期的な訪問診療や、機能訓練、レクレーションなどもあり充実した内容ですが、費用は高めです。

介護付き有料老人ホーム特徴徴
  • 種類:民施施設
  • 入居金:あり(施設によっては高額な場合も、敷金をとる場合もあり)
  • 月額費用:高
  • 入居条件:要介護1以上(施設によっては要支援でも入居可)
  • 職員体制:3:1以上
  • 看取り:あり(多い)
  • 待機者:少ない

老人ホームの選び方のポイント

このように一言で老人ホームといっても、いろいろな種類の老人ホームがあります。

いろいろな種類の老人ホームがたくさんあるからこそ、どうやって最適な老人ホームを選んだらよいのかわからなくなることもあります。

ここでは、老人ホームの選ぶときに大切な4つポイントを解説します。

老人ホーム選びの4つのポイント
  • 老人ホームの場所
  • 老人ホームへの要望
  • 老人ホームの費用
  • 老人ホームの入居条件

老人ホームの場所

まずは老人ホームの場所です。

今まで住んでいた家のそばが良いのか、それとも子供の家のそばが良いのか。

私の父は、埼玉県の越谷市で一人暮らしをしていましたが、希望したのは私の家のそばです。

というわけで私と家族が訪問しやすい、私の家から出来るだけ近い横浜の老人ホームを探しました。

老人ホームへの要望

そして老人ホームに何を要望するかということも大切になります。

主に入居予定者の心身の状態と、それに対応するための介護内容に関する要望です。

老人ホームには、いろんな種類がありました。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護保険老人施設
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 介護付き有料老人ホーム

そしてそれぞれの老人ホームには、入居者の心身の状態や介護内容に対応するための特徴があります。

父の場合は、転倒のリスクがある、掃除や洗濯などの身の回りのことをするのが難しい、食事や着替えなども難しくなってきているという状態でした。

そして区分変更申請をしたあとの要介護度は「要介護2」です。

この条件でどのタイプの老人ホームが最適化を考えます。

まず特別養護老人ホームは安価で良いのですが、待機者が多く出来るだけ早く入居したい父の現状では難しいです。

また要介護3以上という条件も当てはまりません。

「老健」は短期入居が基本ですし、「サ高住」やグループホームは要介護度がどんどん高くなると思われる父の状態から判断すると適しません。

すると選択肢は、「住宅型有料老人ホーム」か「介護付き有料老人ホーム」ということになります。

今の父の状態を考えると、24時間体制で介護スタッフが見守ってくれる「介護付き有料老人ホーム」が最適だという結論に至りました。

老人ホームの費用

老人ホームの費用も選ぶときの大切なポイントです。

なぜなら老人ホームに入居した場合、長期間になることがほとんどだからです。

お金が無くなったからこれ以上は滞在できませんということにならないような計画が必要です。

毎月の年金額が支出を上回るようであれば全く問題ありません。

でも多くの場合は、毎月いくらか持ち出す(貯蓄が減っていく)ことになるでしょう。

貯蓄(貯金+年金)-老人ホームの費用を計算して、何年もつかを考えます。

また民間の老人ホームの多くには、入居一時金というものがあり、入居するさいに大きな金額を支払う必要もあります。

貯蓄(貯金+年金)-老人ホームの入居一時金-(月額費用×最大の入居年数)を計算してみましょう。

何年で底をつくか、何歳までこの状態でいけるか大枠を理解して、必要な対策を考えることが必要です。

残念ですが、無い袖は振れません。

予算にあった老人ホームを選ぶことが大切です。

老人ホームの入居条件

いくら入居したい老人ホームがあったとしても、入居条件にあわなければ入れません。

  • 要介護度
  • 認知症の有無
  • 医療依存度

これらの条件を満たしているかを確認しましょう。

要介護度とは要介護認定区分のことです。

老人ホームの場合には、要介護認定区分の入居条件を確認する悲痛必要があります。

たとえば私の父が入った介護付き有料老人ホームは「要介護1」からという入居条件でした。

今まで父は「要支援1」だったので、そのままではこの老人ホームには入居できません。

そこで介護区分申請をして認定調査をし、「要介護」の認定を受けることで入居することができました。

要介護認定の手順については、以下の記事を参照してください。

次に認知症についてですが、今や認知症は700万人いるとも言われています。

老人ホームには認知症や重度認知症の人を受け入れてくれる施設と入居できない施設があります。

認知症の高齢者を専門にケアしているのが、グループホームです。

認知症の有無やレベルが入居条件になっているかも確認が必要です。

そして医療依存度とは、どういった医療的なケアが必要かどうかということです。

たとえばインシュリン注射や人工呼吸器の管理といったことは看護士ができる医療行為であり、老人ホームにいる介護職員ではできません。

持病を持っている人や日常的に医療行為を受けている人は、老人ホームの入居条件にあっているかを確認すると良いでしょう。

またすべてが選び方のポイントにあっていても、老人ホームに空きがなければ入れませんので、注意が必要です

まとめ|はじめての老人ホームの探しと選び方のポイント

父と今後の生活について話し合い、老人ホームを探し始めた私ですが、いろいろな方に相談たり、情報を集めたりしながら、父にとって最適な老人ホームを選ぶことができました。

第1候補に選んだ老人ホームは、私の家から車で10分の介護付き有料老人ホームです。

老人ホームにはいろいろな種類があります。

そしてそれぞれの老人ホームは、入居者の心身の状態や経済的状況に対応するために考えられています。

  • 公的施設か民間施設か
  • 入居金や月額費用は
  • 入居条件や職員の体制は
  • 終の棲家にするのか、看取りはあるのか
  • すぐに入れるのか、長く待つのか

心身の状態と、老人ホームを選ぶときのポイントをおさえて、入居する人が安心して暮らせる老人ホームを探しましょう。

父が入居したホームの部屋で
父が入居したホームの部屋で

次は「老人ホームに入居するまでの流れ5ステップ」です。

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