私の父は昭和一桁生まれの92歳。
今まで元気に一人暮らしをしてきましたが、体力も衰え自力での生活が難しくなり、いよいよ老人ホームに入居することになりました。
どんどんと衰える父を早く安全な場所に入居させなくてはとはじめた、私のはじめての老人ホーム探し。
はじめての老人ホーム探しから入居まで、わからないことも多かったです。
この記事では、私の経験をベースに、老人ホームを探し始めてから入居するまでの流れを5ステップにまとめて解説します。
この機会に、老人ホームの入居手人についてサクッと理解してしまいましょう。
「92歳の父と私の記録」をはじめから読む方は、こちらからどうぞ。
老人ホームに入居するまでの流れ5ステップ
老人ホームに入居するまでの流れ5ステップです。
ステップ①老人ホームを探す
ステップ②老人ホームを選ぶ
ステップ③老人ホームを見学する
ステップ④:老人ホームと契約する
ステップ⑤:老人ホームに入居する
ステップ①老人ホームを探す
老人ホームに入居するまでの流れ、まずは「ステップ①老人ホームを探す」からです。
老人ホームに関する情報収集を行います。
老人ホームの情報集収集におすすめなのは、以下の2つです。
- 地域包括支援センターに相談する
- 紹介サービスを利用する
まずは地域包括支援センターや老人ホームの紹介会社に相談しましょう。
担当者に電話したリ、実際に会ったりして相談することができます。
私は、老人ホーム紹介会社の担当者と実際に会って相談しました。
各老人ホームには、パンフレットや料金表があります。
よさそうな老人ホームや気になる老人ホームを見つけたら資料請求をしましょう。
老人ホーム紹介会社のサイトで一括請求することもできますし、担当者にお願いすることもできます。
「ステップ①老人ホームを探す」について、さらに詳しくは以下の記事を参照してください。
ステップ②老人ホームを選ぶ
気になる老人ホームの情報を集めたら、入居する老人ホームの候補を3件から4件程度選んで絞り込みましょう。
老人ホームを選ぶときに大切になるポイントは4つ。
- 老人ホームの場所
- 老人ホームへの要望
- 老人ホームの費用
- 老人ホームの入居条件
老人ホームの場所は今住んでいる家のある市区町村か、子供や親せきの家のそばが良いのかを決めます。
老人ホームの要望とは、老人ホームにどんなことを期待するのか。
大切なのは入居する人の心身の状態にあった介護サービスのある老人ホームを選ぶことです。
例えば転倒リスクが高くなった私の父の場合は、24時間体制で見守ってくれる老人ホームが条件でした。
老人ホームの費用は、無理なく入居を継続できる老人ホームを選ぶことです。
そして老人ホームの入居条件を確認しましょう。
要介護度や認知症の有無、医療依存度などにより入居できないという場合もあるので、事前に確認していきましょう。
「ステップ②老人ホームを選ぶ」について、さらに詳しくは以下の記事を参照してください。
ステップ③老人ホームを見学する
パンフレットなどで入居する老人ホームの候補を絞り込んだら、次は見学です。
見学したい施設を老人ホーム紹介会社につたえて見学の日程を調整してもらいましょう。
「百聞は一見に如かず」というように、パンフレットを読んだりWebサイトを閲覧したりするのと、実際に見学して五感で感じるのとでは全く違います。
候補の老人ホームは必ず見学しましょう。
そして複数の施設を見学することもポイントです。
なぜなら見学を何回かしていくことで老人ホームについての理解が深まるのと、いくつかの施設を比較することで、一言で老人ホームといってもこんなに違うのだなということを体感できるからです。
私の場合は、父の状態から絞り込んだ介護付き有料老人ホームを4件見学しました。
老人ホームによって本当に違いますよ!
介護付き有料老人ホームの見学でのチェックポイントをご参考までに紹介します。
施設や設備に関して
見学では、パンフレットでは確認できない雰囲気や情報、気になったことを中心に確認します。
- 施設全体の清潔さ(外観、入り口や受付、廊下、共有スペース、食堂や談話室など)掃除はいき届いているか、埃はないか、段ボールなどが散乱していないか
- 施設全体の雰囲気、広さ、明るさ、色、匂い
- 庭や緑や花があるか、飾りや絵など落ち着く感じがあるか
- 居室の清潔さ、広さ、明るさ、色、匂い、ベッドの状態、ナースコール
- トイレ居室内にがあるか、クローゼットの大きさ、窓からの景色
- 食堂や談話室の場所や位置(建物に1か所か、各階にあるか)人が集まりやすそうか
- 浴室の清潔さ、安全性、手すりや床、浴槽の設備(機械浴など)
気になったことはメモしましょう。
また施設の人に許可をもらえたら、写真を撮っておくと後から見返すこともできます。
介護サービスに関して
介護サービスについてのチェックポイントです。
- 1日のスケジュールや介護サービス内容
- レクレーションの実施状況や内容、参加人数など
- 訪問診療や看護、薬の管理などの健康管理の体制
- リハビリテーションや口腔ケアなど
- 入院や終末期医療、看取りについて
入居者に関して
入居者が実際にどのように生活しているかは見学でないとわからないポイントです。
- 食堂や談話室や廊下などの共有スペースにいる人が多いか少ないか
- 笑顔があるか、会話をしている人がいるか、リラックスしているか
- 年齢や男女比、要介護度など(重度の人はどの程度いるかなど)の印象
- 服装や身なりはどうか
職員に関して
施設長や副施設長、相談員やケアマネージャー、看護師や介護職員は、入居者が実際に接することの多い人たちです。
職員の入居者に対する気持ちや態度を観察してましょう。
直感的に感じることがあると思います。
- 施設長や副施設長、ケアマネージャー、看護師の雰囲気や表情、話し方
- 介護サービスについての考え方(例:できるだけ個室からでてきてもらいたい、個室にいてほしいなど)
- 施設長や副施設長、ケアマネージャーと働いているスタッフの関係について感じたこと
- 働いている職員の雰囲気や表情、挨拶、笑顔があるか
- 職員の入居者とのかかわり方、声かけなどをしているか
見学では、実際に目で見て、五感で感じて、質問して、特に入居者や職員などについて感じたことを大切にすると良いです。
それは入居者にとって人間関係がとても大切だからです。
ちなみに私はいつも妻と2人で見学しました。
見学終了後に、妻と感じたものや思ったことなどの意見交換をすることで、どの老人ホームが良いかが自ずとわかってきました。
また施設によっては、体験入居ができる老人ホームもあります。
ステップ④老人ホームと契約する
入居する老人ホームを決めたら、すぐに入居できるかというとまだやることがあります。
仮申し込み
まずは入居したい老人ホームに、入居の意思を伝えて仮申し込みをします。
仮申し込みをしたら老人ホームの担当窓口となる人と、部屋の空き状況や、必要な書類の確認、入居までの日程の確認と調整を行いましょう。
空いている部屋の場所、入居後に部屋を移動できるかなども施設に確認しておきましょう。
健康診断書の準備
契約時に、健康診断書の提出が必要になる老人ホームが多いです。
健康診断の予約をして実施してから、健康診断書が届くまでには2週間程度かかるかもしれません。
健康診断書まちで契約ができないとならないように、老人ホームの仮予約を待たずに健康診断をしておくのがおすすめです。
また健康診断は、かかりつけ医で行いましょう。
そうすることで、既往歴や日常生活で注意すべき点などを老人ホーム側に伝えるための紹介状(診療情報提供書)をあわせて書いてもらうことができます。
健康診断書と紹介状(診療情報提供書)は老人ホームと契約をするときに、施設に提出します。
老人ホーム側に健康診断書のフォーマットがある場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
施設管理者との事前面談
入居前に、老人ホームの施設長や副施設長などの管理者と入居予定者の面談を行います。
主な目的は入居予定者の健康状態や希望の確認です。
また入居予定者が入居する施設に行くのが難しい場合には、出向いてくれることがあるので状況や希望を伝えましょう。
私の父は、越谷に一人暮らしをしていたのですが、入居予定の横浜の施設に行って戻ってくるのが大変だと思っていました。
でも横浜の施設の人が、越谷の家まで来てくれて面談を行うことができ、父や私にかかる負荷という点でも、日程的にもとても助かりました。
入居審査
面談がすんだら、施設内で最終的な入居審査が行われます。
老人ホームごとの審査の内容や厳密さはわかりませんが、審査の項目となるのは、要介護度、健康状態、経済状況です。
経済状況に関しては、身元保証人(身元引受人)の有無が重要になります。
父の介護付き有料老人ホームの入居時には、私が身元保証人(身元引受人)になりました。
というわけで私のサインと印鑑、そして引見証明書が必要でした。
契約
審査にとおったらいよいよ契約です。
必要なものをもって施設にいき、契約をします。
- 入居者の認印
- 身元保証人(身元引受人)の実印
- 身元保証人(身元引受人)の印鑑証明書
- 入居人の後期高齢者医療被保険者証
- 入居人の介護被保険者証
- 入居人の介護保険負担割合証
- 引き落とし口座の通帳(口座引き落としにする場合)
- 銀行届出印鑑(口座引き落としにする場合)
※施設によっては、住民票や戸籍謄本が必要な場合あり
介護被保険者証と介護保険負担割合証に関しては、以下の記事を参照してください。
契約が済んだら実際に入居する日を決めて、入居の準備をします。
ステップ⑤老人ホームに入居する
いよいよ入居日がきたら老人ホームに入居します。
入居に必要なものをもって、老人ホームでの新しい生活のスタートです。
身の回りの物
- 衣類(アウターやシャツ、下着、パジャマなど)
- タオル
- 靴(着脱しやすく滑りにくいもの)
部屋の物
- カーテン
- テーブル
- 椅子(ひじ掛けがある倒れにくいもの)
- テレビ
必要なものは施設によって異なりますので、事前に確認して準備しておきましょう。
まとめ|老人ホームに入居するまでの流れ5ステップ
以上が老人ホームに入居するまでの流れの5ステップです。
ステップ①老人ホームを探す
ステップ②老人ホームを選ぶ
ステップ③老人ホームを見学する
ステップ④:老人ホームと契約する
ステップ⑤:老人ホームに入居する
この手順を着実にこなすことによって、父を私の家の近くの介護付き有料老人ホームに入居させてあげることができました。
24時間体制で見守ってくれるので安心です。
父が入居した老人ホームは、ホテルのようにキレイで、スタッフも優しく、入居者の多くが食堂などに出てきて会話していて明るい感じです。
父がこの老人ホームに入ってすぐ、機能訓練士に転倒防止に歩行器を使うことを提案されました。
今では、この歩行器を使って施設の廊下やルーフガーデンなどを歩いています。
今は人生100年時代といわれています。
でも実際の健康年齢はそれより短い。
いつか自力で生活できない時がくるかもしれません。
その時になったら、老人ホームに入居するというのは良い選択です。
いつ転んでけがをするかわからない自宅に一人でじっと暮らしているよりも、いつも誰かがそばにいて見守ってくれる安全な老人ホームに暮らすほうが幸せだと感じます。
同年代の人と会話をしたり、若いスタッフに助けてもらったり。
一方で経済成長はとまり、超高齢化時代に突入して終身雇用も崩壊した日本では、老人ホームに入居するのも簡単ではないのかもしれません。
「私と妻の老後はどうなるのかな?」
父を見ていて、そんなことを思ったりしました。
でも過去に後悔して時間が過ぎていったり、わからない将来の不安に時間を使っても意味ありません。
長くなった人生だからこそ、人生のどこかのタイミングで自分を見つめ直し、自分軸で自分らしく生きるのが正解だと思います。
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