自己概念とありたい自分|自分軸のセカンド・キャリア

自己概念とありたい自分

50代になったらセカンド・キャリアを考え始めましょう。

セカンド・キャリアを考えるときには、「自己概念」と「ありたい自分」を意識することが大切。

なぜなら「自己概念」と「ありたい自分」を意識できると、自分の今までの経験を受けいれることができるから。

自分らしく生きることができるようになるのです。

  • 自己概念とありたい自分とは
  • 自分軸と他人軸
  • 自己概念を意識するには

この記事では、自分軸のセカンド・キャリアに必要な「自己概念」と「ありたい自分」について解説します。

目次

自己概念とありたい自分

自己概念という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

自己概念は、次のように説明することもできます。

自己概念
自己概念とは
  • 「自分は何者であるか」「どういう存在であるか」という自己イメージ
  • 自分と自分を含む世界をどう捉えているか
  • ありたい自分に意味づけられた「モノの見方・考え方」

自己概念は、この世に生まれてから今までの人生の中で出来上がってきた自分らしさです。

人の人生はそれぞれ違いますから、人の自己概念もそれぞれ違います。

同じ出来事や経験をしても、人によって意味づけや感じ方が違ってくるのはこのためです。

そして自己概念は「ありたい自分」に向かって成長していきます。

ありたい自分
ありたい自分とは
  • 自分にとって良いと思う方向と、そこへ向かうエネルギー
  • 自己概念は「ありたい自分」に向かって成長する

ありたい自分を意識できると、自分の経験を受けいれやすくなります。

自分らしさを受けいれ意識して、ありたい自分に向かっていくことができるのです。

自分が大切にしている価値軸、自分軸ともいえます。

自己概念やありたい自分を意識していると、スムーズに生きることができるわけです。

反対に自己概念がわからなくなり、ありたい自分を見失うと、不安や心配が大きくなりモヤモヤするのです。

自己概念は自分軸

自己概念は、自分のことだから誰でもわかっているかというとそうではありません。

人は自分のことを結構知りません。

自分を振り返る、自分と対話するという機会がないと、知らないうちに周りに流されてしまうのです。

下の図は、自分の周りの世界をあらわした図です。

自分の周りの世界

まず真ん中に自分がいます。

そして自分をとりまく自分事の世界があります。

その周りには自分事にはなっていない自分を含む世界、その周りには他人事の世界があります。

「自己概念」と「ありたい自分」を意識するには、矢印を内側の自分に向けなければなりません。

意識を自分に向けるのです。

意識が外に向いていると、世間的な一般論で物事を考えたり、他人事になったりしてしまいがちです。

まるで評論家のように物事を捉えてしまうのです。

他人ごとで物事を考えても、自分らしくは生きられません。

自己概念を意識して、ありたい自分に向かっていくのがスムーズな生き方。

セカンド・キャリアを考えるには、まず自分を理解する必要があるのは、そのためです。

自己概念とありたい自分を意識するには 

では自己概念とありたい自分を意識するには、どうしたらよいのでしょうか。

それは自分の棚おろしをして、自分の人生を振り返り、経験を話すことです。

経験を話すことで「自分はこういう人なのだ」という、自己概念を意識できるようになります。

自己概念とありたい自分を意識する方法を紹介します。

今までの経験を振り返る

まず今までの人生の経験を振り返ります。

小さいころから今までの人生の出来事とその時に気持ちを振り返りましょう。

振り返るにはライフマップ(ライフライン・チャート)を描くのがおすすめ。

出来事や転機、影響をうけた人、成功したこと、失敗したこと、いろんな心の浮き沈みがあったと思います。

そういった経験を再現しながら、ライフマップ(ライフライン・チャート)を描いてみましょう。

詳しくは、以下の記事を参照してください。

自己概念を意識する

人生を振り返ったら、自分の経験を振り返って自問自答してみましょう。

  • どのような状態になると心が満たされるでしょうか
  • どのような状態になると心がしずんでくるでしょうか
  • そのような心の状態になったのはどんな出来事や経験をしたときですか
  • どんな人やどんな言葉に影響されたでしょうか
  • ライフラインの山の共通点は何ですか、谷から脱出した際の共通点は何ですか

経験を振り返ることで、自己概念を意識できるようになります。

自己概念には、気がついている自己概念と、気がついていない自己概念があります。

話すことで経験を再現する

ライフマップ(ライフライン・チャート)を描いて、人生を振り返り自問自答することでも、自己概念を意識することができますが、効果的な方法は、誰かに経験を話すことです。

話すことで、自分では気がついていない自己概念に気がつくことができる。

自分の経験を話して経験を再現することで、気づきを得ることができるのです。

ただ自分の人生を話すのは、誰でもいいわけではありません。

親や兄弟では、見方に偏りが生まれるでしょう。

会社の上司や部下などにも、自分の人生の話をするのは難しいでしょう。

あなたに対しての固定観念や先入観をもっていたり、利害関係がある人に話をしても、内省することは難しいでしょう。

自分を振り返るために話をするのに最適なのは、キャリアコンサルタントです。

キャリアコンサルタントは、キャリア形成に関する知識と経験をつんだ専門家です。

またキャリアコンサルタントには守秘義務があり、クライアントが話した内容を誰かに話すことはありません。

キャリアコンサルタントと話をすることで、今まで知らなかった自己概念に気づくことがあるはずです。

自己概念がはっきりしてくる

このように自分の人生を振り返り、経験を再現することで自己概念がはっきりしてきます。

話をしているうちに、自分らしさ、大切にしている価値軸に気がつくことでしょう。

自己概念とありたい自分を意識することで、自分らしく働き、生きることができてきます。

自己概念と経験の一致

なぜ人は自分のことがわからなくなってくるのでしょうか。

それは長い人生を生きてくる中で、自己概念が揺らいでくるからです。

ある出来事や経験をきっかけにして、自己概念が揺らぐのです。

たとえば、Aさんは、役職期定年という出来事をきっかけにして、自分らしさがわからなくなってしまいました。

以前は、部下と積極的に会話をし、自信をもって働いていたAさんでしたが、役職定年になって新しい部に配属になってからは、別人のようになってしまいました。

いつしか「煙たがられないようにしよう」、「控えめで出しゃばらないようにしよう」と思うようになり、働いていく自信もなくなってしまいました。

どうしてAさんは、自信を失ってしまったのか。

それは自己概念が揺らいでいるからです。

自己概念の揺らぎ

Aさんが、自分らしさがわからなくなった理由は、「今までの自分」と「揺らいでいる自分」との間のギャップからくる矛盾や葛藤が心に生まれたからです。

ひとりで自信がなくなった理由を考えても、なかなかわかりません。

経験を人に話すことで、自己概念の揺らぎに気がつくことができるのです。

なぜ経験を話すと自己概念がはっきりするのでしょうか。

それは経験を話すことで、経験と自己概念が一致してくるからです。

経験と自己概念が一致

経験と自己概念が一致してくると、人は自分らしさに気がつき、今までの経験を受けいれて柔軟になります。

ありたい自分に近づこうと、自分らしく自由に生きられるようになるのです。

自分軸のセカンド・キャリア

キャリアとは、そもそも何でしょうか?

キャリアとは人生そのもの
キャリアとは:日本キャリア開発協会

「キャリア」という言葉のイメージも人によってさまざまかもしれません。

人によっては、仕事をしてきた職務経歴や課長や部長といった職業上の特定の地位を想像したりする方もいるかもしれませんが、「キャリア」のもつ意味はもっと幅広く、深いのです。

キャリアという言葉の語源は、ラテン語のcarrariaで、轍(わだち)です。

キャリアという言葉には、人のたどる足跡や経験という意味合いがあり、人の経歴や生涯をも含む意味を持っているのです。

つまりキャリアは、仕事はもちろんですが、それ以外のさまざまな人生のステージや役割を含んだものであり「人生そのもの」ということができます。

たとえば定年退職とは、勤めてきた会社での仕事という人生の中に占める要素のひとつが終ることですが、キャリアが終るわけではないわけです。

人生100年時代のキャリアは、長く続くのです。

せっかく長くなったキャリアは、自分軸で行きましょう。

自分軸のセカンド・キャリアをスタートさせることで、自分らしい生き方ができるようになります。

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