自分らしさがわからないとき|あなたの自分概念を知るための視点

自分らしさがわからない時

人にはそれぞれその人らしさというものがあります。

自分らしさがあるのです。

でも人生でおこるいろいろな出来事のなかで、自分らしさがわからなくなるときもあります。

自分らしさがわからなくなると不安になったりモヤモヤしたりします。

なぜ自分らしさがわからなくなることがあるのでしょうか。

その理由を知ることで、気持ちがすっきりするかもしれません。

  • 自分らしさとは
  • 自分らしさがわからなくなる理由
  • 自己概念を知るための視点

この記事では、自分らしさがわからなくなったときの考え方について解説します。

目次

自分らしさとは

そもそも自分らしさとは何でしょう。

自分らしさとは、「自己概念」のことです。

自己概念は、次のように説明することもできます。

  • 「自分は何者であるか」「どういう存在であるか」という自己イメージ
  • 自分と自分を含む世界をどう捉えているか
  • ありたい自分に意味づけられた「モノの見方・考え方」
自己概念

自己概念は、この世に生まれてから今までの人生の中で出来上がってきた自分らしさです。

人の人生はそれぞれ違いますから、人の自己概念もそれぞれ違います。

同じ出来事や経験をしても、人によって意味づけや感じ方が違ってくるのはそのためです。

そして、「ありたい自分」は、自分にとって良いと思う方向と、そこへ向かうエネルギー。

自己概念の理解を深めることによって、自己概念は「ありたい自分」に向かって成長していきます。

自己概念にそった生き方や働き方をしていると、スムーズに生きることができるわけです。

反対に自己概念と違う生き方や働き方をしているとモヤモヤするのです。

自分らしさがわからないとき

自己概念にそった自分らしい生き方や働き方をいつもできれば良いのですが、なかなかそうはいきません。

だから人生では喜びを感じることもあれば、辛さを感じることもある訳です。

人は自己概念に影響を与える出来事や経験に遭遇した時に、自分らしさがわからなくなります。

例えば人生の半ばに差しかかった50代には、自己概念に影響をあたえることが、結構起きます。

日本人の中年以降の課題

特に働き方に関する出来事が多く、出来事がきかっけになって、モヤモヤしたり、自信を失ったりします。

こんな出来事です。

  • 役職定年
  • 早期退職
  • 定年
  • 再雇用
  • 降格や異動

こういった出来事は、今までの働き方や考え方を大きく変える必要がでてきます。

そして自分は何ものなのか、今までの自分は何をしてきたのか、これから自分どうしていけばいいのだろうかというような迷いやモヤモヤが心の中にうまれることになるわけです。

KOHEI

私もモヤモヤがいっぱいでした

人生半ばからの過渡期について詳しくは、以下の記事で書いているので参照してください。

自分らしさがわからなくなる理由

人はなぜ自分らしさがわからなくなってしまうのでしょうか。

なぜある出来事をきっかけにして、モヤモヤしたり不安になったりするのでしょうか。

それは出来事によって「自己概念の揺らぎ」が現れてくるからです。

たとえば役職定年になった人を例にあげてみましょう。

私は多くの役職定年を迎えた方のお話を聞いてきましたが、役職定年という日本独特の制度は、自己概念にとても大きな影響をあたえます。

Aさんは、あるメーカーの部長職でしたが、55歳で役職定年になり、新しい部署に配属されました。

以前はたくさんの部下がいましたが、新しい部署では部下はいなくなり、上司は元の部下のひとりです。

役職定年になって新しい部署で働き始めて3か月たったころ、Aさんは自信がなくなり、自分らしさがわからなくなってしましました。

なぜでしょうか。

それはAさんの自己概念が揺らいでいるからです。

役職定年になる前のAさんは、次のようなことを大切にして働いていました。

  • 自分が培った経験を活かして会社に貢献しよう
  • 積極的なコミュニケーションをして、チームの力を高めよう
  • 部長として自信をもって行動して、若い人のロールモデルになろう
  • 部下が成長できるように、力を引き出せるように働きかけよう

ところが役職定年という出来事をきっかけに、Aさんはいつのまにか、こんなことを考えて働くようになりました。

  • 前に役職定年になった先輩のように、みんなに煙たがられないようにしよう
  • もう部長ではない、肩書きもないから、控えめで出しゃばらないようにしよう
  • 新しい部署で働いていく自信がなくなったのは、なぜだろう
  • 嫌われないようにして働いていくことを、私は望んでいるのだろうか
  • 何か悲しさを感じる、なぜか虚しさを感じるのはなぜだろうか

Aさんは、役職期定年という出来事をきっかけにして、こんな風に変わってしまいました。

自分らしさがわからなくなってしまったのです。

Aさんが、自分らしさがわからなくなった理由は、「今までの自分」と「揺らいでいる自分」との間のギャップからくる矛盾や葛藤が生まれたからです。

自己概念の揺らぎ

これが「自己概念の揺らぎ」です。

自分らしさがわからなくなったときには、この自己概念の揺らぎはなぜ現れたのかを理解することが大切になります。

自分の今までの人生を見つめ直し、自分のもっている自己概念と、自己概念の揺らぎはなぜ起きているのかを知ることで、再び自分らしさをもてるようになります。

自己概念を意識する

「自己概念の揺らぎ」は悪いことではありません。

「自己概念の揺らぎ」はありたい自分に向かって成長するきっかけになるのです。

自己概念を知るための視点

自己概念は一度出来上がったら変わらないというものではなく、変化します。

つまりある出来事によって揺らいだ自己概念も、自分を見つめ直し、自分の自己概念を理解し、再構築することができる訳です。

自分の自己概念がはっきりすれば、より抵抗なく自分の経験を受け容れられるようになり、自分らしさを自覚して、ありたい自分に向けて成長ができるのです。

ここからは自己概念をはっきりするために、自己概念を知るための5つの視点について解説します。

自己概念を知るための5つの視点

①興味

②職業的性格(興味と能力)

③価値軸

④リソース

⑤環境

これらの視点で自分をみることで、自己らしさ、自己概念がはっきりしてくるはずです。

自己概念を知るための視点①興味

あなたが何に興味を持っているかということは、自分らしさに影響します。

今までの人生の経験をとおして、興味を持つようになったこと何でしょうか。

今まで、多くの時間をつかってきたことは何でしょうか?

本当に興味のあることは、こんな記憶の中にあるかもしれません。

自己概念を知るための視点①興味
  • あなたがお手本にしてきたロールモデル
  • いつもみる雑誌やテレビ番組
  • お気に入りの本・映画
  • お気に入りの格言・座右の銘やモットー
  • 幼少期の想いで

何をしていると楽しいですか、何を考えるとワクワクしますか。

自己概念を知るための視点②職業的性格(興味と能力)

あなたはどんな仕事をしたいでしょうか。

好きなことで、できることを仕事にすると自分らしく働けます。

米国のキャリアの理論家、ジョン・L・ホランドという人は、興味と能力から人がもっている基本的な性格を6つのタイプに分けました。

自分がどういうタイプかを知ることで、キャリアを選ぶための参考にすることができます。

ホランドタイプ

職業的パーソナリティという、職業上の性格をあらわしたのがホランド・タイプです。

あなたのホランド・タイプは何でしょうか。

詳しくは以下の記事の中にある「6つのホランド・タイプ」を参照してください。

自己概念を知るための視点③価値軸

誰にでも大切にしてきた価値軸があるはずです。

そして価値軸は人生でさまざまな経験をする中でつくられ変化してきたかもしれません。

自己概念を知るための視点③価値軸

大切にしている価値観にそって働けば、自分らしく働くことができます。

今まで大切にした価値観は何でしょうか。

そしてこらからの人生で大切にしたい価値軸は何でしょうか。

自己概念を知るための視点④リソース

リソースとは資産のこと、資産とはある程度の期間にわたって価値をうみだし、人生に恵みをあたえてくれるものです。

あなたが今持っているリソースも、これから獲得したいリソースも自分らしさに影響します。

そして資産には形を持つ有形資産と、形のない無形資産があります。

自己概念を知るための視点④リソース
  • 有形資産―家などの不動産、車や貴金属、有価証券や、現金といった形のあるもの
  • 無形資産―スキルやノウハウ、人脈ネットワーク、情報、ブランドなどの形のないもの

人生100年時代には、「生産性資産」、「活力資産」、「変身資産」といった無形資産がより重要になってきます。

自己概念を知るための視点⑤環境

あなたの周りの環境も、自分らしさに影響します。

少子高齢化やグローバル化、リモートワークなど、働き方にも大きな変化が起きています。

早期退職や役職定年やリストラなどの出来事もおきるかもしれません。

そして環境は仕事や職場だけではありません。

家族や健康、親の介護といった個人的な環境も変化をしていきます。

自己概念を知るための視点⑤環境

子供であったり、親であったり、職業人であったり、地域の人あったり、人生の中では、年齢や場面の中でさまざまな役割が変化し、相互に影響します。

自分軸のセカンド・キャリアで自分らしく

人生の中では、いろいろな出来事がおきたり、転機が訪れたりします。

予期していたこと、予期していなかったこと、期待していたのに起きなかったこと。

こうした出来事や転機に遭遇して、自分らしさがわからなくなったら、自己概念を知ることが大切。

自己概念がはっきり出来たら、ありたい自分に前進することで、幸せな生き方働き方ができてきます。

自分軸を大切にして働くのです。

人生100年時代といわれる今は、定年後の人生も惰性ではいきられません。

定年後は、自分らしい生き方、自分軸のセカンド・キャリアを選ぶのがおすすめです。

正しいプロセスにそって自分軸のセカンド・キャリアを決めることが大切です。

自分軸のセカンド・キャリアを決めるプロセス
  • 現状理解 ー 人生100年時代の社会や環境の変化などを現状と自分の現在位置を理解する
  • 自己理解 ー 自分棚おろしをして経験や価値観などから、自分らしさ(自己概念)を理解する
  • 働き方理解 ー セカンド・キャリアの価値軸、働き方の選択肢、キャリア理論などの理解する
  • 人生設計 ー ミッション・ビジョン・戦略・目標などの定年後の人生設計図を描く
  • 学び直し ー セカンド・キャリアに必要な学び直しを計画し無形資産を強化する
  • 意思決定 ー 意思決定プロセスで意思決定をして、実行可能な行動計画をたてる
  • 方策の実行 ー 行動計画とスモールステップを実行する

自己概念を大切に、自分らしくワクワク働いて、自分らしく生きましょう。

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