セカンドキャリアの見つけ方|定年後のキャリアを考え始めたGさん

セカンドキャリアの見つけ方

人生100年時代といわれる今、50歳はまだ人生の折り返し地点。

このくらいの年齢になると、誰しも定年後のセカンドキャリアについて考え始めるものです。

人生100年時代には、70歳までみんな働く時代です。

昭和のように、定年後は引退して悠々自適な生活を送るというわけにもいきません。

定年後は、いつまで働くのだろうか、何をして働くのだろうか、そんなモヤモヤを抱える人も多いのです。

定年後のセカンドキャリアは、新卒での就職活動と同じくらい、もしかしたらそれ以上に大きな悩みとなるものです。

  • 定年後のセカンドキャリアを見つけるポイント
  • 興味と能力から定年後のセカンドキャリアを考える
  • 6つのホランド・タイプとは

この記事では、定年後のセカンドキャリアの見つけ方について解説します。

目次

定年後のキャリアを考え始めたGさん

先日、Gさんという方とこれからの働き方について話をする機会がありました。

Gさんは、社員300名程のある広告会社に新卒ではいり、今年で48歳になる男性です。

KOHEI

とても聡明な、優しい感じの方です

今は昇進して営業部門のマネージャーとして活躍しています。

仕事は順調で、それなりにやりがいを感じているそうですが、将来に対する不安があるといいます。

「今までこの会社1社でしか働いたことがないが、果たして大丈夫なのだろうか」

「定年後は何をして働けばいいのだろうか」

「定年後のセカンドキャリアは、どのようにして見つければいいのか」

先日、今まで一緒に働いてきた上司が会社を辞め、その頃から、こん風なモヤモヤを感じるようになったそうです。

「先輩はやめて転職したが、自分はこの会社でずっと働いていていいのだろうか」

「人生100年時代という言葉もよく聞くようになったし、自分もチャレンジすべきではないのか」

考え始めると悩みはつきないようです。

Gさんは、バブル崩壊後のいわゆる就職氷河期世代(1970~1982年)です。

新卒での就職活動に苦労した世代でもあるので、やっと見つけた会社をやめる、会社を変えるということに慎重になるのは無理がありません。

でもGさんは、上司の退職をきっかけに、人生100年時代の定年後のセカンドキャリアについて考え始めたのです。

定年後のセカンドキャリアを見つけるポイント

では定年後のセカンドキャリアは、どのようにして見つければいいのでしょうか?

ポイントは、あなたが興味のあることを優先することです。

今まで会社のために働いてきたなら、定年後のセカンドキャリアは自分のために働きましょう。

自分が興味のあることをする、ワクワクすることをする、自分のできることをする。

そして社会にニーズのある仕事を見つけましょう。

ワクワクすること

誰かの役にたつこと、誰かの悩みを解決するような仕事です。

会社の価値観ではなく、あなたの価値観を大切にして定年後のセカンドキャリアを選ぶのです。

一方で、定年後のセカンドキャリアとして「定年再雇用」を選ぶ場合には、注意をしてください。

なぜなら60歳で定年再雇用を選んでも、65歳になったらまた次のキャリアを考えることになるからです。

同じ仕事をしていても給与は減り、いつまで働けばいいのか、どこで働けばいいのかという問題そのものは何も解決しません。

定年後も再雇用で働きるづけることが、あなたの興味のあることであれば何の問題もありません。

定年後のセカンドキャリアは、あなたが興味のあることがおすすめです。

興味と能力から職業的性格を知るホランド・タイプ

興味と能力からキャリアを考えるひとつの方法としてホランド・タイプを紹介します。

ホランド・タイプとは、米国のキャリアの理論家、ジョン・L・ホランドが考えた理論で、興味と能力から人がもっている基本的な性格を6つのタイプに分けるものです。

ホランドは、人の基本的な性格を6つのタイプに分けました。

自分がどういうタイプかを知ることで、キャリアを選ぶための参考にすることができます。

次にあるのが6つのホランド・タイプです。

ホランド・タイプ
ホランド・タイプ
  • 現実的(Realistic)

 モノや道具、機械や動物などを扱ってする活動を好む

  • 研究的(Investigative)

 物理的、生物的、社会的現象を理解したり、観察したり、研究したりする活動を好む

  • 芸術的(Artistic)

 慣習的なことにとらわれずに、創造的な活動をすることを好む

  • 社会的(Social)

 人に伝える、教える、手助けするなどの活動を好む

  • 企業的(Enterprising)

 組織目標の達成や利益の目的に、他人に影響を与えることができる活動を好む

  • 慣習的(Conventional)

 情報を明確に秩序だて整理するような活動を好む

ホランド・タイプは、職業的パーソナリティともいう、職業上の興味からの性格を6つのタイプで表したものです。

どのタイプが良いとか悪いとかをいっているのではありません。

そして6角形とその順番には意味があります。

2つのポイントを抑えましょう。

①6角形上で隣り合ったタイプは、とてもよく似ている

例えば、R(現実的)とI(研究的)といった隣りあったタイプが高い場合には、その人の興味や能力には一貫性があるということです。

自分の興味や能力について安定感があり、その意味から仕事を見つけやすいということになります

②6角形の対角にあるタイプは、最もかけ離れている

例えば、C(慣習的)とA(芸術的)といった対角にあるタイプが高いといった場合には、その興味や能力は一貫性にかけるということになります。

この場合は、異なった興味や能力を、どのような仕事に活かせばいいのかが難しくなるということです。

あなたの興味や能力から職業的パーソナリティを理解することで、興味や能力にあった仕事はどういうものかを考えるためのサポートになります。

ホランド・タイプを知るには

ホランド・タイプを知るための、CPS-Jというアセスメントがあります。

CPS-Jはホランド・タイプのショック業選択理論をベースにした米国のCPS(Career Planning Survey)を、日本の環境に会うように開発された適性診断テスト。

CPS-Jは、日本マンパワーのサイトから受験することができます。

日本マンパワーのCPS-Jのページにアクセスします。

日本マンパワーのCPS-Jのページから

一般方は左のボタンから、日本マンパワーが運営している「キャリアコンサルタント養成講座」の受講生は、右のボタンからCPS-Jを受験できます。

受験料は一般の方は、2,750円 (税込)で、キャリアコンサルタント養成講座を受講する方は、1回の受験料が講座に含まれています。

CPS-Jキャリアアセスメント検査の方法は簡単です。

日本マンパワーのCPS-Jのページに、説明とサンプルが載っています。

日本マンパワーのCPS-J 検査の構成についてから

CPS-Jは2部構成になっており、「I 興味検査」が150問、「II 能力自己評価検査」が15問あります。

検査I、IIは間をあけずに続けて行う必要があり、検査時間は個人差もありますが検査I、IIあわせて約30分。

CPS-Jを受けることで、ホランド・タイプと適職は何かを知る参考になります。

KOHEI

私もCPS-Jを受けました

ジョブ・カード自己診断を使う

厚生労働省が様式を定め、広く普及を進めているジョブ・カードという制度があります。

ジョブ・カード制度は、個人のキャリアアップや、多様な人材の円滑な就職等を促進することを目的としたもので、「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」するために活用できます。

ジョブ・カードのサイトには、いくつかの自己診断ツールがありますが、この中のひとつに「興味診断」というツールがあります。

これは職業とパーソナリティを6つのタイプに分類するものです。

ジョブ・カードの興味診断

30の質問に答えることで、あなたの興味や関心を知ることができます。

ホランド・ライプの考え方を利用した診断ですね。

job tagを使う

もうひとつ適職を調べるツールとしてjob tag を紹介します。

job tagとは、厚生労働省の運営する職業情報提供サイト(日本版O-NET)の愛称です。

job tagを使って、さまざまな職業の仕事内容、就業までのルート、労働条件、求められるスキル・知識などを知ることができます。

またjob tagには、無料で利用できる適職探索のツールがあります。

job tagの適職探索
  • 職業興味検査
  • 価値観検査
  • 職業適性テスト
  • しごと能力プロフィール
  • ポータブルスキル見える化ツール

職業興味検査がホランド・タイプの検査になります。

あなたの興味や価値観から、あなたの適職を探す参考にすることができます。

Gさんはセカンドキャリアをどう考えたか

上司の退職をきっかけに、人生100年時代の定年後のセカンドキャリアについて考え始めたGさん。

Gさんは、話をしているうちに、自分がどんなことに興味を持っているのかがわかってきたようです。

定年後は、地域活動やボランティアにも参加したいといいました。

自然の中でいることが好きなので、自然や環境に貢献するような活動がしたいという気持ちにも気がつかれたようです。

定年後は、仕事と地域活動とボランティアをバランスよく行う、ポートフォリオワーカーがいいのではという発見もしました。

そこでGさんは、今の仕事を続けながら、地域活動や、ボランティアに参加してみることにしました。

実際に行動を始めることで、わかってくることもあるでしょう。

まずは行動をしてみようということで、この日のGさんの面談は終了しました。

まとめ|定年後のセカンドキャリアの見つけ方

定年後のセカンドキャリアは、あなたが興味のあることを優先しましょう。

会社の価値観ではなく、あなたの価値観を大切にして定年後のセカンドキャリアを選ぶのです。

あなたの興味と能力を知るホランド・タイプというものもあります。

ホランド・タイプは、職業的パーソナリティともいう、職業上の興味からの性格を6つのタイプであらわしたもの。

定年後のセカンドキャリアを選ぶ参考に、CPS-Jなどのテストを受けてホランド・タイプを確認するのも良いでしょう。

定年後のセカンドキャリアを見つけるときに大切なことは、自分をしっかりと理解すること。

自分の棚おろしをするのも良い方法です。

自分棚おろしは、今までの自分の人生をしっかり振りかえって見つめて自分を理解する作業です。

詳しくは以下の記事を参照してください。

自分を理解できたら、自分の興味や価値観にあった仕事を見つけましょう。

定年後のセカンドキャリアは、お金を稼ぐだけの方法ではありません。

定年後のセカンドキャリアは、定年後の人生そのものです。

働き方は、生き方、人間関係、健康、お金にも大きく影響します。

定年後のセカンドキャリアは、あなたの価値観にあった生き方をする、役割を果たす方法でもあるのです。

また組織に属して、会社に属して働くのではなく、ひとりで働くという方法もあります。

ひとり社長であれば、定年はありません。

何をして働くか、いつまで働くかを決めるのは、あなたです。

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