50代の早期退職
ときいて、何を感じるでしょうか?
アーリーリタイアメント?
リストラ?
東京商工リサーチの調査によると、上場企業で2020年には93社で18,000人以上もの早期退職者の募集が行われているそうです。
2021年も84社と前年の2年連続で80社を超え、2年連続の80社超は、リーマン・ショック後の2009年(191社)以来の水準です。
厳しい経済環境が続くなかで早期退職を募集する企業が増えています。
あなたの会社で早期退職の募集がはじまったら、応募するのか?
突然来るかもしれない早期退職は、他人ごとではありません。
そして役職定年や定年がすぐそばにある50代は、いつまでも会社にはいられない。
いずれにせよ会社をはなれる気持ちの準備が必要なのが50代です。
50代は早期退職が来た時のために、準備をしましょう。
“その時”がいつ来ても良いように。
早期退職を失敗しないために絶対やってはいけないこと
早期退職の失敗しないために絶対やってはいけないことは、その時の感情や勢いで応募することです。
楽観的な情報に踊らされないことも大切です。
私もサラリーマンを長くやってきましたが、50代は何かと自信を無くすようなことが多いものです。
役職定年や納得いかない評価、突然の配置換えや出向、よくわからない降格などがあるかもしれません。
50代は3回の転職や降格やら悩みました!
そんな気持ちの中で「会社を見返してやる」というような気持ちなど、その時の勢いや感情で決めてはいけません。
50代で早期退職すること自体は悪いことではありませんし、会社によっては割増退職金が受け取れるなど定年をまたずに50代で早期退職するメリットもあります。
人生100年時代の今、いつまでも会社にたよっては生きていけませんし、50代にもなれば遅かれ早かれ会社を離れる日がもうすぐやってきます。
50代は特に、早期退職に応募する前に自分を見つめ直すことが必要です。
早期退職で後悔しないように。
50代で早期退職を迷っている人のある質問
50代、早期退職に迷っている人のこんな質問がありました。
なんの特技もない50過ぎの男です。早期退職しての感想をお聞かせください?後悔ありますか?
退職金に目がくらみますが年金まではまだ年数があり、今の仕事を続けて細々と暮らすのがよいのでしょうか?
数名の方から、お返事がありました。
今のままの会社で定年まで働いたほうが、賢明です。
人事が次の仕事を紹介してくれて定年になり、その後もハローワークで仕事をみつけました。
50歳で早期退職しハローワークから介護の研修を6か月受けて介護施設に再就職しました。まだまだ新たな世界を見る事は人生にマイナスで無いと思います。
早期退職は考えないことです。会社から「来るな」と言われるまで勤務してください。
人の人生ですから、好きなように生きたら良いです。そこまで来たら人の意見に左右されない方がカッコいいですよ。
どう感じましたか?
私はこの方は早期退職しないほうが良いと思います。
なぜか?
それは「自分の意思がない」からです。
これからの人生をどうやって生きていこうか、こうやって生きていこう。
そんな決意が少しも感じられません。
こういう方は、早期退職しても失敗するでしょう。
会社にいたほうが良いと思います。
でも会社が側からいえば、こういった人こそ早期退職に応募してほしい人なのではないかと思います。
50代で早期退職した人のその後
50代で早期退職したこんな人もいます。
取引先からオファーもありそうだし応募するか!
この際、家のローンを早期対象金で一括返済しよう!
早期退職して、ラーメン店でも出してみるか!
こういった人たちも、リスクが高いと思います。
早期退職したその後も大体想像がつくでしょう。
早期退職に失敗する人の共通点は、辞めた後の計画がなく、その場の感情や勢いで応募することです。
自分が早期退職を決めるのに、どこか他人ごとです。
ラーメン店を開業するというのは一見計画がありそうですが、事前の調査や学びを相当な時間をかけて行ってきたということがあっての話です。
まして退職金を家のローンなどの返済につかってしまう、計画のない開業のための不動産投資に使うなどは、50代という年齢を考えるとあまりにもリスクが高すぎます。
一方で早期退職で成功する人には、その後の明確な計画があり覚悟があります。
辞めた後は決めた計画に向かって行動をできるのです。
早期退職を機会としてとらえて、前向きな人生設計をしたうえで早期退職に応募するのであれば成功する可能性も高いはずです。
50代で転職3回から独立した私の場合
そういう私も早期退職ではありませんが、50歳から今までの人生でいろいろと悩みました。
30歳過ぎでスタートアップメンバーとして入社して、100人規模になるまで引っ張ってきた会社から、予想外のリストラにあい50歳で退社。
このままずっとこの会社で働いていくのかなあと甘い考えでした。
運よくリクルーターからのオファーがあってすぐに新しい会社で働きはじめたのは良かったのですが、新しくいった会社は体育会的で封建的な日本の会社でした。
肌に合わないどころか、仕事はないし、仮の席、パワハラの上司がいるし、苦しんだあげくに半年で辞めることになります。
次のあてもなく自己都合という形でやめて、ハローワークに通っていたころは結構つらかったです。
その後にやっと入社した50歳過ぎての2社目では4年ほど勤めることができましたが、上層部の体制変更があり居場所がなくなってきて、50歳過ぎての3社目に転職します。
そして3社目では、1年働いたところで理由の分からない突然の降格を言いわたされます。
会社を相手に争おうかとも思いましたが、誰のためにもならないので会社を辞めることにしました。
この時に、今までの自分の人生、特に50代の今までと、これからの人生を考えました。
振り返れば、自分を見つめ直すことができた時間でした。
もうこれ以上、会社に振り回される生き方はしたくない、自分で決めて自分の人生を歩いていきたいと思ったのです。
次の会社をさがすことはやめました。
独立して自分が主役の人生を生きることにしたのです。
「辛くても会社にいて我慢して働き続けよう」、「年金受給までは家族のためにも耐え抜こう」、50歳を過ぎてからは、知らないうちにそんな風に考えるようになっていました。
でも気がついたのです。
自分の人生を決めるのも自分、自分がやりたいことをやりぬけばなんとかなる。
自分が自分の人生に責任を持ったときに、気持ちが楽になりました。
50代が早期退職を失敗しないために準備すべき3つのこと
私は50歳から3回の転職をして独立しました。
いきあたりばったりにみえるかもしれませんが、常にしてきたことがあります。
それは、
いつ会社をやめてもいいような心の準備です。
3回も転職してきたので、その都度いろいろと悩みましたし、いつまたピンチが来るかもしれないと思っていたからかもしれません。
いつやってくるかわからない50代の早期退職も、しっかりと心の準備をしておけば、チャンスになります。
受け身ではない自分の人生を生きる覚悟があれば大丈夫です。
50代が早期退職を失敗しないための準備:①60歳からの生き方を考えてみる
早期退職に限らず、これからの人生を左右するかもしれない出来事はいつおきるかわかりません。
そのために自分の早期退職後、さらに60歳からの生き方を考えましょう。
50代は人生後半戦の準備期間です。
そして60歳からの人生後半戦は、実は人生の黄金期クライマックスなのです。
早期退職をした後の人生をどうしたいのかを考えてみましょう。
一度しかない人生です。
あとで後悔しないようにしましょう。
50代が早期退職を失敗しないための準備:②60歳からの働き方をきめる
働き方は生き方に大きく影響します。
そして生き方は働き方に大きく影響します。
50代早期退職をしたあとは、どうやって働くのかを決めましょう。
早期退職で辞めた後、60歳からその後、いつまで何をして働くのか?
「もう働かない」、そういう選択ができる状況にあるのなら、それもありかもしれません。
でも本来は、働くことは生きがいでもあるはずです。
「働くこと=辛いこと=我慢」になるから、働きたくないとなるのです。
「働くこと=好きなこと・ワクワクすること=生きがい」
であるなら、人にいわれなくたって働きたいし、いつまでも働きたいですよね。
生きがいのない人生はつまらないです。
例えばミュージシャン。
そこそこ売れれば、もうお金はいらないから、働かなくてもいいはずです。
それでもほとんどのミュージシャンは唄い続ける。
お金のためじゃなく、生きがいだからです。
50代で早期退職をしたら、好きなことを思い切りやってもいいのではないかと思うのです。
あなたは、今まで頑張ってきた。
これからは好きなことを!
50代が早期退職を失敗しないための準備:③お金の計画をする
早期退職をする際には、早期退職後の人生のお金の計画をもちましょう。
計画をするために、まず自分の現状を理解します。
まずはある、はいってくるお金のこと
- 早期退職時の貯蓄はどのくらいありますか?
- 退職金はどれだけでますか?
- 退職した後で入ってくるお金はありますか?
- 年金はいつからいくらもらえますか?
そして、
出ていくお金のこと
- 退職後の社会保険料と税金はどれだけかかりますか?
- 毎月の生活費(消費支出)はどのくらいですか?
- 家のローンや教育費は、どの程度かかりますか?
- そのほかの支出予定はありますか?
そして早期退職後の人生を生きるための、お金のシミュレーションをしましょう。
100%安全は難しいと思いますが、「当面は何とかなる」という自信が必要です。
足りないけれど「何とかなるだろう」という状態であれば、早期退職に応募しないほうが良いです。
まとめ【50代の早期退職】失敗しないために絶対やってはいけないこと
早期退職の募集があったら、よく考えましょう。
早期退職を失敗しないために絶対やってはいけないことは、その時の感情や勢いで応募することです。
楽観的な情報に踊らされないことも大切です。
そして50代が早期退職を失敗しないためには、3つのことをしましょう。
①自分の早期退職後、さらに60歳からの生き方を考えましょう。
②早期退職で辞めた後、60歳からその後、いつまで何をして働くのか?60歳からの働き方をきめましょう。
③早期退職後の人生のお金の計画をもちましょう。
この3つの準備をして、あなたが早期退職をチャンスと前向きにとらえることができるなら、チャンスをつかみましょう。
自分の人生の責任は自分でとる。
この覚悟さえあれば、大丈夫です!
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