50代になったら学び直しをしましょう。
ここでいう50代の学び直しは、趣味の幅をひろげようといったタイプの学びではなく、50代からの人生を輝かせるための学びなおしです。
なぜ50代に学び直しが必要なのか?
それは昔よりも変化が早く、そして変化の大きい時代になったからです。
人生100年時代には教育ステージ、勤労ステージ、引退ステージの3ステージでは生きられません。
どうしても変化が必要になります。
だからこそ60歳定年がみえてきた50代は、変化に対応する能力を高める必要があるのです。
知識は最強の無形資産です。
生涯学びです!
人生後半戦の準備期間である50代が無形資産を高めることが、これからの人生を充実したものにさせてくれます。
50代こそ無形資産がますます重要になっている
資産とは何でしょうか?
資産とはある程度の期間にわたって人生に恵みをあたえてくれるものと考えます。
そして資産には形を持つ有形資産と、形のない無形資産があります。
- 有形資産―家などの不動産、車や貴金属、有価証券や、現金といった形のあるもの
- 無形資産―スキルやノウハウ、人材やネットワーク、情報やデータ、ブランドや特許など形のないもの
今までの高度成長期やバブル時代の日本においては、家や車といったモノ、有形資産がどちらかというと注目されていました。
それが最近になって変化が起きています。
無形資産の重要性が注目されはじめているのです。
それは周りをみてもわかります。
ひと昔前は、車や家電といったモノをつくる製造業が経済をけん引していました、いまはGAFAに代表されるIT企業が圧倒的な強さを発揮しています。
アメリカでは、S&P500を構成する代表的な企業の時価総額の8割以上が無形資産によって生み出されているといわれています。
そして無形資産の重要度が高まっているのは、企業や経済活動のことだけではなく、個人にもあてはまります。
たとえば学歴と賃金の差は厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、大卒・大学院卒の男子の平均年収(全年齢)が399万円、高卒男子は288万円と、高卒と大卒では約100満円余りの差がつくということです。
そしてさらに生涯で最も稼ぐ、50歳から54歳の場合を見ると、大卒・大学院卒の男子の平均年収が535万円、高卒男子は347万円と、高卒と大卒では200万円近くの差がつくのです。
知識という無形資産をもっている量が、世の中における価値、稼ぐ力の差となってあらわれているのです。
世帯年収の高い人は、本を月に3冊以上読む人の割合が高いという調査もあります。
こういった事実は、知識やノウハウといった目に見えない無形資産が生む価値がとても大切だということを証明しています。
知っているか、知らないかで差が出ます!
私たち今の50代が学生時代や新人の頃に学んだ知識の価値は、家や車といった有形資産と同じように、時間の経過とともにさがってきています。
そのままにしておくと価値は下がる一方で、最終的には使えないものになります。
だからこそ50代はこれからの人生後半戦を生きていくためにも、学び直しをして無形資産を強化する必要があるのです。
人生100年時代は、無形資産の重要性がさらに高まる
人生100年時代は、サザエさんの浪平の世代や、昭和1桁生まれの私の父のような人生3ステージでは生きられないということは、はっきりしています。
詳しくは以下の記事を参照してください。
そしてその変化は、ますます強くなります。
私たち50代は、父や母の世代のような終身雇用による生き方は全く参考ならず、こらからの人生後半戦の生き方を自分たちで切りひらいていかなければならないことでしょう。
そして人生100年時代の生き方のロールモデルとつくる試みをするということは、私たちの子供の世代のためにも価値があることです。
さらに、これからはITやデジタル化がさらにすすみ、多くの仕事がAIやロボットにとってかわる。
単純作業では価値を提供できません、つまり稼げません。
その時にも知識や人とのつながりなどの無形資産が大きく役に立ちます。
「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著:東洋経済新報社)によると、人生100年時代に、必要となってくる無形資産には3つあるといいます。
それは「生産性資産」、「活力資産」、「変身資産」の3つです。
人生100年時代に必要な1 つめの無形資産は「生産性資産」です。
「生産性資産」とは、簡単にいうと稼ぐ力です。
人が仕事で価値を提供することで収入を増やすのに役立つ知識やスキルといった資産です。
人生3ステージ時代は、教育ステージや勤労ステージの初期に、知識やスキルやノウハウといった無形資産をまとめて蓄積して、のこりの人生はその無形資産に頼って生きていくことができました。
でも今はもうできない。
だから50代は学び直しが必要です。
ではどんな学び直しが良いか?
自分の本当に好きなこと、本当にやりたいことを学び直すのが良いと思います。
その学びを軸にして、60歳定年からの生き方に使うことが出来るからです。
スキルを身につけながら定年後の働き方につながる副業で生産性資産をたかめるのが良いです。
人生100年時代に必要な2つ目の無形資産は「活力資産」です。
「活力資産」とは、心身の健康や幸福を得るための資産です。
家族や友人といった人たちはもちろん重要ですが、会社で働いている場合は、会社での人間関係やストレスなども幸福度に大きな影響をあたえます。
職場と家庭のバランスなども重要だと思います。
人生100年時代の、特に60歳定年後からの人生の幸せは、働き方にかかってくるのではないかと考えます。
会社で役に立っているかわからない状態で定年退職し、いわれるがまま再雇用制度を選択して65歳を迎え、その後の人生をなんとなく流れに任せて生きるというのには、人生100年は長すぎます。
好きなことをやって専門分野での専門性と知識を高めることが生産性資産を高めることにつながり、生産性資産を高めることで、好きなことを軸にした人的ネットワークができて、活力資産が増えていく。
この好循環をつくりだしていければ、素晴らしいのです。
人生100年時代に必要な3つ目の無形資産は「変身資産」です。
「変身資産」とは、変身に対応する力でだけでなく、自分なら変身できると認識する力や、自分から変化を切り開いていこうとする自発的な力が含まれます。
人生100年時代には、新卒から定年までを1つの会社で過ごすことはできなくなってきます。
たとえ1つの会社で定年まで過ごすことができても、人生100年時代は60歳から80歳までも20年、8万時間の時間があります。
これはサラリーマンとして会社で働いた38年よりも長いのです。
定年後20年8万時間をいきいきと生きていくためには、変化していかなければなりません。
50代は、生産性資産と活力資産をたかめながら変身していかなければならないのです。
そのためにも50代のうちに好きなことを学び直すことで、自ら変身していかなければなりません。
林住期は人生のクライマックスであり黄金期です。
60歳からの人生を黄金期にする勝負が50代です!
黄金期を過ごすために、方向を決めたら変身のジャンプをするのです。
私の無形資産
私は、学生の頃の勉強はあまり好きではありませんでしたが、社会人になってからのほうが、いろいろと勉強してきました。
勉強はやらされているうちはダメで、自分で必要だと思った時に効果が出てくるのだと思います。
少し紹介すると、自分で通った学校だけでも結構あります。
- コピーライター養成講座
- デジタルハリウッド マルチメディアスクール
- アメリカ自費留学とELSプログラム参加(英語の勉強)
- 銀座コーチングスクール
- コンサルティング養成講座
- PSS(プロフェッショナル セリングスキル)
- リーンシックスシグマブラックベルト研修
そのほかにも、アフィリエイトやネットビジネス系の講座やDVDやセミナーなど、かなりの情報やノウハウにお金を使ってきました。
これらはすべて「生産性資産」を高めるための活動です。
この生産性資産が、いままでどれだけ私の人生に貢献したか数字はありませんが、かなりのリターンになっていると実感します。
私は50歳から3回の転職をして辛いことも多かったですが、これも資産の1つです。
なぜなら新しい会社にはいる新しい業界にはいるのは、やはりパワーがいるしそれなりのノウハウがあるからです。
それが変化への対応能力です。
この3回の転職で「変身資産」を少しもつことが出来たかなと感じます。
そして、わたしの活力資産は、なんといっても「家族」ですね。
もちろん今もつきあっている会社の仲間もいます。
でも今でもつきあっている多くは、昔の会社の人が多いです。
今持っているネットワークも良いですが、50代は、新しい人的ネットワークをつくる、人生後半戦の活力資産を手に入れることも大切です。
無形資産のためのお金の使い方
無形資産をつくるためには、ある程度のお金をつかうことも必要です。
そしてお金のつかいかたには3種類あります。
- 浪費―別になくても困らないものにお金を使うこと(衝動買いで2度と使わないものを買う、賭け事など)
- 消費―生活するために欠かせないことにお金を使うこと(家賃や食事、光熱費など)
- 投資ーあとからのリターンが見込まれるものにお金を使うこと(株式、スキルアップの学び、書籍費など)
無形資産を強化するためには、投資が必要です。
そして50代がすべきなのは知識やノウハウやスキルへの投資です。
わたしも様々な知識への投資をしてきましたし、今もしています。
なぜならリターンが確実にたかいというのを今まで実感しているからです。
例えば、英語です。
私は自費留学して英語の勉強をしました。
アメリカから帰ってきたときは貯金ゼロです。
そして英語の学習は今までずっと続けてきました。
多くの教材や英会話スクールなどでたくさんのお金を使ってきました。
でも、この英語力があったために外資系の会社に入ることができましたし、50過ぎてから転職もしました。
英語力がなかったら、きっと今のキャリア築けなかったでしょう。
結果的には英語力を身につけるために使ったお金の何倍ものリターンがあったと思います。
ちなみに今はオンライン英会話があって英語を学ぶには良い時代になりました。
ビジネス英語を学ぶならビズメイツがおすすめです。ご参考まで。
このように知識は、生産性資産と変身資産を強化してくれます。
50代がこれから自分の軸にする、自分の好きなことに関連した本を読むのもおすすめです。
また最近では、何かしながれでもできる耳学も良いと思います。
Amazon Audibleなどからはじめてみるのも、ひとつの方法です。
無料体験ができます。
学び直しの支援制度を活用しよう
ミドル・シニアのセカンドキャリアの形成は、日本としても大きな問題です。
そこで国が学び直しを支援してくれる制度があります。
ミドル・シニアの学び直し支援の制度を、ふたつ紹介します。
ひとつ目は、学び直し制度です。
2023年6月に、学び直しのために平均24万円の助成金が支払われると発表されました。
基本的には、転職希望者のスキルアップための支援のようですが、定年後のセカンドキャリアを考える人たちも活用できそうですね。
現在わかっている、今回の制度の概要は以下のようなものです。
- 希望者を対象にして、キャリア相談から転職までを一体的に支援する
- 助成金は1人あたり平均24万円
- キャリアコンサルタントの資格をもった専門家に相談ができる
- 民間が運営する講座を最大1年間受講できる
- 対象の講座は、プログラミング、ビジネススキル、医療、介護、Webデザイン、動画編集など
- この支援制度は2023年度中に開始され、今後3年間で、約33万人の転職を後押しする
さらに具体的な内容は、今後発表されると思いますが、手に職をつけたいという方は、利用を検討したいですね。
条件等がありますので、詳しくは以下の記事を参照してください。
もうひとつは、教育訓練給付制度です。
これは働く人の能力開発やキャリア形成を支援して、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的とした国の制度です。
この制度を利用することによって厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了したときに、受講費用の一部が支給されます。
教育訓練給付制度にはいくつかありますが、その中でもミドル・シニアにおすすめなのが専門実践教育訓練給付制度。
専門実践教育訓練給付制度は、特に中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象となります。
専門実践教育訓練給付制度を利用して、受けた講座の受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講を修了したときに専門実践教育訓練給付金として支給されます。
こちらの制度も条件があります。
せっかくの制度なので賢く利用しましょう。
詳しくは以下の記事を参照してください。
まとめ【50代の学びなおし】50代は無形資産を強化すべき理由
人生100年時代は、若いころにまとめて獲得した知識やノウハウで、生き続けることは難しくなってきます。
そして50代は、60歳定年後にむけての準備の期間です。
だからこそ、50代の今から生産性資産、活力資産、変身資産といった無形資産を強化するための学び直しが必要です。
自分の本当に好きなこと、本当にやりたいことを中心に学び直しましょう。
その学び直しで、50代からの人生を輝きのあるものにする。
インターネットが発達し、リモートワークが普通になった今は、学び直しもパソコンひとつ、自分ひとり、自宅でもできます。
行動することで、新しい世界がひろがります!
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