定年後は自分軸で働きたい。
今までは会社が主役の働き方だったけど、セカンド・キャリアは自分が主役で働きたい。
そう思う方は、これからの人生設計図を描いて、自分軸でありたい自分に向かって踏み出しましょう。
自分軸のセカンド・キャリアのために意思決定をしましょう。
- 自分軸のセカンド・キャリアのための意思決定プロセスとは
- セカンド・キャリアにはどんな選択肢があるのか
- 意思決定マトリクスとは
この記事では、自分軸のセカンド・キャリアのための意思決定プロセスについて解説します。
意思決定プロセス
自分軸のセカンド・キャリアのための意思決定プロセスは、人生設計図に描いた「ありたい自分」に向かっていくためのプロセス。
ブレない自分軸で、ありたい自分に行くための選択肢を洗い出し、あなたが重視する項目と重要度を決め、選択肢を評価するプロセスです。
自分軸のセカンド・キャリアは、あなたが「ありたい自分」に向かうための戦略的な選択です。
自分の価値軸にそって意思決定しましょう。
ステップ①選択肢を洗い出す
ステップ②重視する項目と重要度を決める
ステップ③選択肢を評価する
ステップ①選択肢を洗い出す
今、働いている状況やこれからどのように働きたいかなどは、人によって異なるので、自分で選択することが大切です。
ブレない自分軸で、ありたい自分に行くための選択肢を洗い出します。
会社に長く働いていると、会社員として働く以外にあまり思いつかないかもしれませんが、実は選択肢はいろいろあります。
定年後の働き方をタイプに分けて整理したのが以下の図になります。
- ひとり独立(ひとり起業)
- 起業(ベンチャー起業タイプ)
- 投資型独立
- 業務委託型独立
- 会社員継続
働き方のタイプについて詳しくは、以下の記事を参照してください。
こういった働き方の中から、あなたの自分軸のセカンド・キャリアとして可能性のある選択肢を選びます。
以下に例をあげますが、あなたの場合を考えて具体的にイメージしましょう。
選択肢の例①会社員継続(再雇用)
多くの会社員が選ぶ選択肢が、会社員継続(再雇用)です。
この選択をする場合は、今の会社でずっと仕事をしていきたいのかどうかを考えましょう。
今の会社での働き方が、自分軸とあってあれば問題ありません。
我慢して働く、仕方がなく働くという選択は、長い人生が息苦しくなるかもしれません。
60歳の定年になったら働くのをやめますか。
それとも60歳以降も再雇用をして会社にのこりますか。
選択肢の例②会社員継続(転職)
転職をするという方法もあります。
日本の場合には、50代になっての転職が難しいといわれていますが不可能ではありません。
給与にあまりこだわらなければ、可能です。
転職を選ぶ場合にも、自分軸にあっているかが重要なポイントになります。
自分軸にあっていて、自分らしく働いていけるようであれば、セカンド・キャリアとして転職するのもよいかもしれません。
ただ転職をしても定年があると、再雇用と同じことになるので調べておきましょう。
選択肢の例③業務委託型独立
個人事業主として独立して、今の会社の仕事を業務委託契約で引き受けるといった仕組みを導入している会社であれば、スムーズに移行できる良い選択かもしれません。
今の仕事を引き受けるという形で個人事業主として独立し、安心しながら働く。
慣れてきたら徐々にお客様を広げて、収入の複線化をしていくことも可能かもしれません。
自分軸に会った働き方がイメージできるかを考えてみましょう。
選択肢の例④独立
独立は、会社に属さずにひとりで働くタイプです。
ひとりで会社をつくってひとり社長になることもできますし、個人事業主として働くこともできます。
今まで培ってきた経験と知識を学びなおしアップデートして、サポートが必要とする人にコンサルティングやコーチングなどのサービスを提供することもできます。
中小企業診断士、弁護士や税理士などの士業といわれる先生業や、セラピストやコーディネーター、カメラマン、WEBライターといったフリーランスもこのタイプです。
昔やりたかったこと、ワクワクすることの専門家として働き始めることもできます。
このタイプは、自分の好きなことや強みを自分軸にして「専門家」としてサービスを提供するので自分軸のセカンド・キャリアとしてはぴったりです。
ただニーズがないと売れませんし、はじめから全てが上手く行くわけではないので、根気強く継続できるマインドが必要になります。
選択肢の例⑤投資型独立
投資型独立タイプは、FC独立(フランチャイズ独立)や人生の楽園タイプなどです。
FC独立は、すでにノウハウのあるビジネスの加盟店になるので安心感があるかもしれませんが、あまりおすすめしません。
なぜなら本部の指示があるので自立度はそこまで高くありませんし、大きな投資が必要です。
大きな投資をともなうセカンド・キャリアは、ミドルやシニアにはリスクが大きすぎます。
人生の楽園は、テレビ朝日系列の「人生の楽園」という番組で紹介しているタイプの独立。
田舎に移住してカフェを営んだり、農家になったり、木工の工房をはじめたりといった働き方。
まとまったお金が必要な場合もありますが、自分のやりたいことができるワクワク感がありますね。
選択肢の例⑥組合せ
ここまでいくつかの選択肢の例をあげましたが、組み合わせるという事も可能です。
たとえば会社員継続(再雇用)と独立(専門家)の組合せ。
副業がOKな会社であれば、再雇用契約で収入を維持しながら、自分軸にあった副業をはじめて大きくしていくチャレンジが可能です。
会社員継続(転職)と独立(専門家)の組合せもありますね。
自分のやりたいことを見つけたら、やりたいことについて経験のつめる会社に転職して、将来は自分で専門家として活躍するというチャレンジが可能です。
人生100年時代といわれるなか、コロナ禍でリモートワークが普及し、働き方も多様化してきました。
上手く組み合わせて自分軸のセカンド・キャリアにチャレンジすることもできます。
ここでは、「再雇用」、「転職」、「独立」の3つを選択肢として選んだとして話を先に進めます。
テンプレートに、「再雇用」、「転職」、「独立」の3つの選択肢をいれます。
ステップ②重視する項目と重要度を決める
ステップ②では、自分軸のセカンド・キャリアで重視する項目をきめて、重要度をつけるということをします。
まず重視する項目をきめます。
セカンド・キャリアで重視したい項目は人によって違います。
たとえばAさんとBさんという2人がいるとします。
Aさんは、チャレンジ精神がたっぷりで、定年後は昔やりたかったことを仕事にしてワクワクしながら働きたいと思っています。
今までは仕事人間だったから、定年後のセカンド・キャリアでは、場所や時間の自由度が高い働き方をしたい。
そうすることで今まではあまりできなかった家族や仲間と過ごすことに時間を割き、生涯現役で長く楽しく働きたいと考えています。
家のローンも返済が住んで、子供も大きくなったので、報酬の優先順位はだいぶ下がりました。
一方で何をやるにも慎重なBさんが重要だと思っているのは、安定した報酬です。
仕事をコツコツこなしながら、だんだんと地域社会の活動をはじめて社会貢献したいとも考えてきます。
ストレスをためずに、健康に注意しながら、心穏やかに働いていくのが一番と考えています。
パーソナリティの違うAさんとBさんなので、セカンド・キャリアで重視したい項目も異なってくるのです。
Aさんが重視したい項目は、以下のようになりました。
そしてそれぞれの重視する項目に重要度をつけていきます。
- 重要度3:セカンド・キャリアを決めるにあたってとても重要
- 重要度2:セカンド・キャリアを決めるにあたって重要
- 重要度3:セカンド・キャリアを決めるにあたって必要
重視する項目に重要度を3段階でいれたら、ステップ③にすすみます。
ステップ③選択肢を評価する
ステップ③では、ステップ①で選んだ選択肢を、ステップ②で決めた重視する項目と重要度で評価します。
Aさんは、「再雇用」、「転職」、「独立」の3つを可能性のある選択肢として選びました。
選んだ選択肢を以下テンプレートの上に記入します。
そしてAさんが選んだ重視する項目と重要度を左に記入します。
Aさんの選んだ重視する項目は、「ワクワクしながら」、「自由度高く」、「家族や仲間と」、「生涯現役」、「報酬を得る」の5つです。
選んだ3つの選択肢に対して、重視する項目がどの程度あっているか点数をつけていきます。
5点が最高点で、0が最低点です。
それぞれの重要度と点数をかけた点数を、重要度×点数に記入します。
たとえば「ワクワクしながら」の項目は、重要度は3です。
この重要視する項目に関しては、選択肢①の再雇用は1点で、重要度×点数は3となりました。
同様に選択肢②転職は3点で、重要度×点数は9に。
選択肢③ひとり独立は4点で、重要度×点数は12になりました。
このようにすべての重要視する項目の点数をつけて、合計をだします。
合計点は、選択肢①の再雇用が13点、選択肢②転職は26点、選択肢③ひとり独立は34点になりました。
Aさんの重要視する項目から見た、ベストな働き方は「ひとり独立」になります。
意思決定マトリクスで確認する
意思決定プロセスで選択肢を評価したら、意思決定マトリクスで確認しましょう。
意思決定マトリクスは、縦軸が重視する項目の評価で、横軸が実現可能性です。
選ぶべきは重視する項目の評価も実現可能性も高い、右上のエリアにはいる選択肢です。
このエリアにはいった選択肢は決定です。
左上のエリアは、重要視する項目の評価は高いが、実現可能性があまり高くない選択肢。
この部分にはいった選択肢を実現するには、粘り強さが必要になります。
「専門家として独立」などが、このエリアに入ることが多いでしょう。
副業などの働き方も組み合わせて進め方を検討する必要がありそうです。
右下のエリアは、重要視する項目の評価は低いが、実現可能性が高い選択肢。
「再雇用」などの選択肢は、このエリアに入ることが多いかもしれません。
この選択肢を選ぶ場合は、本当にそれで良いのかと自問自答してみましょう。
最後に左下のエリア、重視する項目の評価も実現可能性も低いエリアです。
このエリアにはいる選択肢は選んではいけません。
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