顧客を絞りこむにはSTPという方法を使います。
STPとはセグメンテーション・ターゲッティング・ポジショニングのこと。
セグメンテーションで顧客をいくつかのグループに分けて、ターゲッティングでひとつの顧客グループを選び、ポジショニングで競合と差別化します。
顧客を絞りこむと、ビジネスが成長しやすくなります。
なぜなら同じ特徴をもった同じテーマに興味を持つ顧客にあったメッセージやサービスを届けられるから。
競合と差別化して自分が優位な立ち位置にたてるから。
- STPとは何?
- STPはどうやるのか?
- ターゲッティングとペルソナの違いは?
この記事では、STPを使って顧客を絞りこむ方法を解説します。
セグメンテーション・ターゲッティング・ポジショニングとは
STPとはセグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングの頭文字をとって略したものです。
そしてセグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングとは顧客を絞りこむ方法です。
手順はこうです。
①まず顧客をいくつかの切り口でいくつかのグループに分ける(セグメンテーション)
②次にそのなかからひとつのグループを選ぶ(ターゲッティング)
③最後に選んだグループの中で競合とどのように差別化をするかを決める(ポジショニング)
この3つの手順で顧客を絞りこむわけです。
セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングをさらに具体的にみていきましょう。
①セグメンテーション
セグメンテーションをするには、顧客をさまざまな角度や切り口で眺めることからはじめます。
そして顧客を分ける切り口をきめて、いくつかのグループに分けます。
下の図の円が顧客の全体で、黒い線が切り口だとイメージしてください。
セグメンテーションは、このようにいくつかの切り口でいくつかのグループに分ける作業です。
顧客を漠然とした切り口で切るのではなくて、顧客の違いがはっきりわかるような分け方をします。
あまり細かく分けすぎないというのもポイントになります。
では、顧客を分ける切り口にはどのようなものがあるのでしょうか。
顧客を分ける切り口は、顧客の特徴です。
そして顧客を切り分ける特徴には大きく3つあります。
- デモグラフィック ― 性別や年齢、学歴や職業、家族構成や年齢といった統計学的データ
- サイコグラフィック ― ライフスタイルや好み価値観、趣味や興味といった心理学的データ
- 行動 ― 購買履歴や、なぜ何をどこでいつ誰からどのように買ったかといった行動データ
このような顧客の特徴からいくつかの切り口を選んで、あなたの顧客を浮き彫りにすることができるのが良いセグメンテーションです。
反対に切り口で切っても、顧客イメージが絞りこめないと、セグメンテーションをやってもあまり意味はありません。
②ターゲッティング
顧客をいくつかのグループにわけたら、そのなかからひとつのグループを選びます。
これがターゲッティングです。
下の図でいうと赤い矢印の部分を選ぶというイメージです。
選んだグループは、あなたが今から情報発信してメッセージを届けたり、商品やサービスをお勧めしたりする顧客のグループになります。
ブログでいえば、あなたの専門家ブログのテーマに興味をもつ人たちということですね。
ポイントは競合よりもあなたに有利になるグループを選ぶこと。
あなたの強みや価値を発揮できる顧客のグループを選びます。
③ポジショニング
これから活動する顧客グループを決めたら、自分の商品やサービスと競合する商品やサービスをどのように差別化するのかを考えます。
自分の立ち位置を決めるのがポジショニングです。
ポジショニングをするときには、よく2軸のマトリクスをつかいます。
下の図のように選んだ顧客グループを2つの軸で切って、競合の位置を確かめます。
そのうえで、あなたが競合と差別化するためにどの位置に立つかを決めるのです。
2軸でポジショニングを考えるときのポイントは、どんな軸を使うかということ。
商品やサービスの違いを浮き彫りにできる軸を使います。
あなたならではの強み、独自の価値をだせるポジションを選びましょう。
独自の価値をつくる方法については、以下の記事を参照してください。
STPを英語学習で考えてみる
セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングを使って顧客を絞りこむ方法をご理解いただけたと思います。
でも理屈ではわかっても、実際にどうすればいいのか難しいですよね。
ここからは「英語学習サービス」を例にあげて、具体的に顧客を絞りこんでいきましょう。
英語学習サービスのセグメンテーション
まずはセグメンテーションです。
今、存在している英語学習サービスの内容や顧客の声、検索キーワードなどで英語学習サービスを使う顧客をさまざまな角度や切り口で眺めることからはじめます。
英語学習サービスや顧客の声を調べた結果、英語学習サービスの顧客の違いをはっきりさせるように分けるには、「英語のレベル」と「学習目的」を切り口にすると良いとわかりました。
そこで縦軸に「レベル」をとって、初心者、中級者、上級者と3つに分けました。
横軸には、「学習目的」をとって、子供を英語になれさせるため、高校や大学の受験ため、ビジネスで使うためという3つに分けます。
すると以下のように2つの切り口によって、9つのグループができあがります。
英語学習サービスのターゲッティング
セグメンテーションができたらターゲッティングです。
どの顧客とやり取りをすべきか、ひとつのグループを決めます。
ここでは、初心者×ビジネスのグループを選ぶことにしました。
下の図のグリーンの部分です。
ビジネスに英語を使いたい英語の初心者をターゲットにします。
英語学習サービスのポジショニング
初心者×ビジネスを顧客に選んだら、次は差別化です。
初心者×ビジネスを狙った商品やサービスを調べます。
調べてみると大きな違いにオンライン制と通学制があることがわかりました。
そこで初心者×ビジネスを狙った商品やサービスをオンライン制と通学制、そして料金の2軸で切ります。
2軸で切ったら、初心者×ビジネスを狙った商品やサービスを提供している競合の位置を確かめます。
A社、B社、C社の位置は以下のようだったとします。
そこであなたの提供するサービスは、誰もいないオンライン特化型の比較的高い料金の位置にすることにします。
ビジネスに英語を使いたい英語の初心者を想定したオンライン特化のハイエンドな英語学習サービスです。
このポジションを選んだ場合は、料金設定が高いこともありサービス内容の品質の高さや、ビジネスシーンごとのきめ細かな教材、初心者のケアの充実度などが重要になるでしょう。
あなたならではの強み、独自の価値をだせるポジションを選びましょう。
ターゲットとペルソナの違い
ターゲットとペルソナの違いをはっきりさせましょう。
ターゲットというのは、セグメンテーション・ターゲッティング・ポジショニングの中で、ターゲッティングで選んだ顧客グループのことです。
顧客の特徴を切り口にした顧客グループです。
一方でペルソナは、ターゲットグループの中にいる、ひとりの人物像のこと。
性別や年齢、職業や役職、趣味や特技、価値観や悩みといった想定する顧客をイメージできるまでに掘りさげた人物像です。
ペルソナを設定することで、より詳細の顧客像がイメージできます。
常にペルソナを意識することで、顧客がもっている悩みなどや大切にしたい価値などを意識してコミュニケーションすることができるのです。
顧客視点を強めて、顧客が興味を持つメッセージや顧客に刺さるサービスの提供をしましょう。
人の好みやライフスタイルが複雑化している現代社会では、詳細の顧客像をイメージできることがより大切になってきますね。
ブログの読者をペルソナに落とし込む
セグメンテーション・ターゲッティング・ポジショニングで顧客を絞りこむ方法はブログでも有効です。
あなたのブログの読者を絞りこみましょう。
例えば、先ほどの英語学習サービスを例にすると、ターゲットはビジネスに英語を使いたい英語の初心者です。
つまり、あなたのブログの読者はビジネス英語を使いたい初心者です。
あなたのブログの読者をペルソナに落とし込みましょう。
ペルソナは、最近マネージャーになったが英語が苦手な某外資系グローバル企業のサラリーマン。
英語が最近の悩みの種です。
英語の会議が苦痛だ
外人の上司との英語での1on1が辛い
部下と英語で話すのが憂鬱
こんな悩みをもっています。
もしあなたの専門テーマが「ビジネスに英語を使いたい英語の初心者」であるなら、あなたがブログで書くべき記事は、こういった悩みをもっている読者にとって役に立つ記事です。
ひとりのペルソナを想定して思い浮かべ、その人に届けるつもりで記事を書きましょう。
そうすることでその記事が必要な人に読まれるブログを育てることができます。
まとめ|STPで顧客を絞りこむ方法
顧客を絞りこむには、セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングという方法を使います。
セグメンテーションとターゲッティングで、あなたの顧客を浮き彫りにして、ポジショニングで差別化しましょう。
あなたならではの強み、独自の価値をだせるポジションで勝負します。
そして選んだターゲットをペルソナに落とし込みましょう。
セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングで顧客を絞りこむのは、ブログでも同じこと。
あなたのブログの読者をペルソナに落とし込みましょう。
ひとりのペルソナを想定して、その人に届けるつもりで記事を書くことで、読まれるブログを育てることができます。
コメント